まどろみのなか


 ふわふわと漂うようなまどろみの中で君の夢を見た。君は笑って俺に手を差し延べる。滑らかな肌、しなやかな腕。俺を抱きしめて「あいしてる」と囁く少し掠れた声。「おれも」と云おうとして、目が覚めた。
 ああ、人間の生き様は死に際にあると常々俺は感じていたけれど――たくさん殺してきたから色々見てきたんだ――俺の死に様は最悪。それって俺の人生全否定。よりにもよって最期の最後に気付いた――ああ、すきだ、すきだよ、わるいか!――もう伝えることは出来ないが。そして再びまどろみの中。

END
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