13




雛美をベッドに座らせてから気づいた。
ゴム鞄に入れっぱなしだ。

「ちょっと待ってろ。」

そう言うと怒られた犬みてぇにへこんだ顔しやがるから、そのまま襲いたくなる自分を必死に押さえつけた。
途中で取りに行く方がめんどくせぇだろ。
そう自分に言い聞かせて、リビングの鞄からゴムを取り出した。
部屋に戻ると、雛美は俺の持っているものに気づいて真っ赤になった。
生でやるとでも思ってたのかとも思ったけど、多分抜けてただけだろう。
それが妙に可愛く思えて、興奮した。
ベッドサイドにゴムを置くと、それをちらりと見て俯く雛美が面白い。
つい、いじめたくなった。

「やめんなら今だけどォ?」

やめるつもりなんて本当はねぇけど。
どうしてもって言うなら、少しは考えてやらなくもない。
そう思いながら雛美を見ると、ふわりと笑ったことに少し驚いた。

「靖友くんとなら、したいよ。」

顔を真っ赤にしながら、それでも無防備な顔で笑う雛美が愛しい。
そっと口づければ応える雛美に、どこまで出来るか試したくて少し荒っぽくかき混ぜた。
それでも逃げることなく、首に手を回して引き寄せられた。
少しぎこちないそれがくすぐったくて、もっと肌を感じたくて俺も雛美を抱きしめた。
小さく漏れる吐息がやらしくて、下半身は既にガチガチになっていた。
支えながらそっと押し倒して首元に顔を埋めた。
肺いっぱいに雛美の匂いを吸いこむと、頭がふわりと軽くなるような感覚に陥る。

「んんっ。」

くすぐったかったのか、少し身じろいだすきに雛美の足の間に入り込んだ。
ぺろりと首を舐めれば、ビクビクと反応するのがそそった。

「ふぁ、んっ。」
「すっげー濃い匂い……おかしくなりそォ。」
「ふぇっ…?」

感じているからなのか、どんどん濃くなるその匂いに頭がクラクラした。
耳も首も、雛美からは麻薬なんじゃねぇかって思うくらいの匂いがしている。
軽く噛みながら嗅いでいると雛美がしがみついてきた。
ふに、と当たる胸が俺を誘惑した。
そっとシャツに手を入れて、下着をずらして触れたそれは相変わらず何とも言えないさわり心地だ。
手に収まらないそれをどうにか収めようとしてみたり、つついたりしていると雛美が俺の体を少し押し返した。
どうしたのかと思ってみれば、顔を真っ赤にしながら目にはうっすら涙が溜まっている。

「や、やすと、もくん!」
「ナァニ?」
「ちゃ、ちゃんと前みたいに……触って?」

尻すぼみになる言葉、伏せられる目。
言われたことを理解した瞬間、自分が笑っているのに気付いた。
それ、反則だからァ。
一気にシャツをめくり、ツンととがった先端に口を寄せた。

「ひぁっ。」

反対も刺激してやると、小さく喘ぎながらもじもじと腰を揺らしている。
それが可愛くて、舐めたり噛んだりしているうちに動きが少し変わった。
俺のソレにこすり付けるように動いている腰は、無意識だろうか。
それにしてはスリスリと動くそれは、故意としか思えない。
俺は胸から手を放し、太ももから割れ目にかけて内側をそっと撫で上げた。

「んあぁっ。」
「ハッ、雛美チャンやらしー。」
「や、ちがっ。」
「ここ擦りつけといて何言ってンだよ。」
「やぁぁっ。」

花芯のあたりを少し押すと、ジーンズの上からでもしっかり感じているのがわかる。
ピクピクと体を跳ねさせて逃げようとする雛美が可愛くて、そこを撫でたり押したりして刺激してやる。
唇を舐めれば開く口に、そっと舌をねじ込んだ。
ぎこちなく応える雛美の舌がくすぐったい。

「気持ちイイ?」
「んふっ……う、ん……きもち、はぁっんっ。」

雛美の声に、下半身は痛いほど反応している。
ずっと見ていたい気もしたが、そうはいかないらしい。
雛美の上に覆いかぶさると、先ほどから揺れている腰を掴んで一気にずり下ろした。
足の間に自分がいるせいで太ももで止まってしまったその姿は、やけにエロく見える。
ごくり、とのどが鳴るのが分かった。
それとほぼ同時に、雛美の手が伸びてきたから両手とも捕まえた。

「このままもエロくていいけどォ……。」
「や、やだ!恥ずかしっ。」
「最初だしな。」
「え?……うぁっ。」

付き合って最初であんまりいじめてもな。
これから先はなげーんだし。
そう思って雛美のジーンズとショーツを剥ぎ取って投げ捨てた。
明るい所で見るその場所は、柔らかそうでヒクヒクと動く姿がたまらない。
そっと指を添えてゆっくり入れると、雛美が少し仰け反った。

「ひんっ……あぅ、あっ。」
「すっげぇ濡れてんだけどォ。」

指一本なら楽に入るくらいぐちょぐちょになったそこは卑猥な音を出している。
首を横に振りながらも”やめて”とは言われないことに安心する。
指を増やすと、雛美は少し顔を歪めた。
苦しそうに小さく息を吐く姿に少し後悔した。
それでも雛美からの拒絶がないのを確認すると、そっとキスをして首元に顔を埋めた。
少し強めにマーキングするかのように口づけると、中が少し緩んだ。
指を開くように動かすと、嬌声が漏れた。

「あぁっ、それ、んんっあっ。」
「ここォ?」
「やぁっ、だ、んんっ……。」

指を曲げてそこだけを擦ると、腰を揺らしながらも喘ぎ続ける姿に興奮した。
そこを刺激するたびにぐちゅっと卑猥な音が部屋に響く。
声がしねぇと思ったら唇噛みしめてやがる。
そっと口づけるとそれはいとも簡単に解けて、俺の舌を受け入れた。
それが面白くて擦りあげる指を強めると、力が入ったのか舌を噛まれた。

「いってェ……。」
「ご、ごめんっ。大丈夫?」

突然のことに驚いて体を離した。
口元を抑えると切れてはない、多少ヒリヒリする程度だ。
それよりも雛美に入れていた方の手で顔を覆ってしまったことに後悔した。
匂いが強すぎてもう我慢できねェ。
そっと手を伸ばしてきた雛美のうなじを捕まえて、噛みつくようなキスをした。
遠慮がちに伸ばされた舌を軽く噛み、舌を吸うと可愛い声が漏れる。
雛美を残して立ち上がり、服を適当に脱ぎ捨てた。
ゴムに手を伸ばすと、雛美が俺を凝視してやがる。

「こっち見んなよ。」

何か妙に恥ずかしくなって、背を向けてゴムを着けた。
雛美に向き直ると、背中しか見えない。
こっち見んなってそういう意味じゃねぇよ。
ソワソワと動いている雛美が可愛くて、そのまま後ろから抱きしめた。

「うあっ。」
「背中向けろとは言ってねェ。」

そう言って頬に口を寄せれば、雛美はクスクスと笑った。
ンだよ、俺ちょっと傷ついてんだけどォ?
それでもにこにこしている雛美を責める気にはなれなくて、代わりに少し乱暴に押し倒した。

「ヤダつっても止めてやんねェ。」

ビビらせてやろうと思ったのに、ふわりと笑った。
調子狂うぜ、マジで。
雛美の足を持ち上げて、軽くあてがう。
ヒクヒクしているそこは今にも俺のを飲み込んでしまいそうだ。
じっと見つめてくる雛美にキスをして、首に噛みつきながら中へと進めた。
くふ、と苦しそうな声が漏れた。
何とかしてやりてぇけど、もう止められそうにはない。
さらに強く歯を立てて吸い付くと、びくりと体が動いた。

「いあっ。」

小さく声が漏れて、中の締め付けが少し収まる。
それでもまた次第に強くなってくる締め付けに、今度は肩に噛みついた。

「くっ……うぅ……。」

少しずつ位置をずらして、鎖骨に歯が当たると雛美の体が仰け反った。
それと同時に締め付けが少し収まったのを見計らってまたソレを中へと押し進めた。
ハッハッと小さく息を吐いている雛美は顔を歪めている。
食いちぎられそうなほど強い締め付けに、俺もあまり我慢できそうにない。
花芯にそっと触れると、大きく仰け反った。
それと同時に自分の物を最奥までと押し進めた。
痛みに近い締め付けに、思わず息を吐いた。

「雛美、マジ締めすぎっ……きっつ……。」
「ご、ごめんね?」

慌てる雛美が可愛くて頬が緩んだ。
謝ることじゃねェだろ。
それでも申し訳なさそうな顔をしている雛美に、軽くキスをした。
少しずつ腰を動かすと、卑猥な音が聞こえてくる。
次第に中がほぐれ、音は水っぽさを増してぐちゅぐちゅと響く。
雛美の顔からも痛みが消えたのを確認して、抱きしめた。
肺いっぱいに匂いを吸いこんだ。

「ハッ……悪ィ、もう我慢できねェからァ……。」

起き上がって雛美の腰を掴むと、勢いよく腰を打ち付けた。
そのたびに仰け反りながら嬌声を上げる雛美が愛しくてたまらない。

「はっ、あっ。んんっ、あんっ、あっ。」
「雛美っ……」

雛美の濃い匂いが鼻腔を刺激して、さらに興奮する。
ヒクヒクと動くそこは俺をさらに締め付けて離そうとしない。
俺の腕を握る雛美の手にも力が入る。

「や、ともくっ……んんっ、あっ、も、だめっ。」
「俺もっ……。」

今までにないくらい強い力で肩に噛みついて抱きしめた。
雛美の中は痙攣したようにピクピクと動いていて、それに促されるようにドクドクと自分の物が放たれている。
時折ふるふると震えながらも、雛美はにこりと笑った。
その満たされたみてぇな顔が自分の物だと思うと、頬が緩んだ。
そっと頭を撫でて軽く口づけると、雛美はそのまま目を閉じた。

「……好きだ。」

そう呟いても、雛美は起きなかった。






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