03


「適当に座っていいヨ。」

キョロキョロしている小鳥遊チャンをとりあえず座らせる。
密室のせいか、小鳥遊チャンの匂いが強く感じられてクラクラした。
気持ち良くて、もっと深く吸いたくて。
小鳥遊チャンの隣に座ると、不思議そうな顔をして俺を見た。
その顔がたまらなくて、首元の空気を深く吸い込んだ。

「ひゃぁ!」
「迷子チャン、すっげー良い匂いすんのな」
「きょ、今日ちょっと暑かったから汗臭いよ…」

汗の匂いなんて全然しねぇ。
逃げようとする小鳥遊チャンを捕まえて、また深く吸い込んだ。
やっべェ、匂いだけでイキそぉ。

「臭くねーヨ。」
「あ、荒北くんっ!近いよ…!」
「迷子チャン、彼氏いんのォ?」

彼氏がいるなら最後まではさすがにマズイな、なんて思いながら聞く。
止められる気なんてしねぇけど。

「い、いないよ…ていうかくすぐったいからぁ…ふっ…」
「でも彼氏いたコトはあんでしょォ?」
「ある…けど…それが何…?」
「年上でー、彼氏いたことあンなら、どういう状況かわかんダロ?」
「わ、わかんな…んっ…くすぐったいってば…」
「ヤラせてよ」
「…!!」
「助けた礼に何でもしてくれんダロォ?」

言っちまった。
拒否られると思ってた。
だからつい、弱みにつけ込んだ。
俺ってサイテーだナ。
けど、小鳥遊チャンはそっと目を閉じた。
いいノ?と囁くと、小さくうなづいた。


小鳥遊チャンの匂いで頭がおかしくなりそうだ。
それでもより濃い匂いを求めてあちこち嗅ぎまくった。
鼻が少し触れるたびに漏れる声が、たまらなく興奮する。
軽く口付けるたびにかかる吐息に、勃ちすぎて痛ェ。

「あら…きたくん…」
「ナァニ、迷子チャン」
「恥ず…かしいから…電気…」
「初めてじゃあるまいしィ」
「は、初めてだよ!!」
「…ハァ?」

嘘ダロ?
小鳥遊チャンは少し困ったような顔をしていた。

「は、初めてなの!」
「彼氏いたんダロ?」
「いたけど…」
「してねーのォ?」
「…」
「…マジかヨ。」

泣きそうになる小鳥遊チャンが嘘をついているようには見えない。
もったいねぇけど、消してやるか。

「電気、消してやっから。汚したくなきゃ服脱いどけヨ」

処女だと聞いて少し躊躇した。
初めてが俺で、しかも無理矢理じゃねぇか。
こんなのいいわけがねェ、けど…

「悪ィけど、止めらんねー。」

電気を消して抱きしめた。
柔らかい体が、ビクッと跳ねる。
そのままベッドに押し倒した。
少し震える小鳥遊チャンが可愛くて、どぉにかなっちまいそうだ。

「やっぱ雛美、すっげー良い匂いする」
「…んふぅっ…」

名前で呼ぶと、嬌声が漏れる。
可愛すぎんダロ。
匂いやキスだけじゃ物足りなくて舌を這わせると、ほのかに甘く、それがまた俺を興奮させる。
邪魔な下着を外すと、雛美は手で隠そうとした。
邪魔すンなよ、とつぶやいてその手をどかした。

「や、やだっ…荒北くっ…」
「名前で呼べヨ」
「やす…ともくん…」
「オゥ。」
「やだ…」
「マジで嫌なら抵抗しろヨ。俺そんな強く抑えてねぇダロ」

雛美を押さえつけているものは何もない。
ただそっと軽く触れているだけ。
身を少しよじりながらも、雛美は逃げなかった。
外から漏れる光に、少し困ったような雛美の顔が照らされる。
優しくしてやるつもりだった。
安心させてやるつもりだった。
けど、雛美が可愛い顔して恥ずかしいなんて言うから。
理性が吹き飛びそうだ。
キスして舌をねじ込むと、逃げられた。
深追いはせず、そっと触れた胸は想像以上のでかさで、手から溢れて行きそうだ。

「でけぇな…」

少し揉んだだけで、雛美から声が漏れる。
慌てて口を閉じた雛美の瞳は潤んでいて、誘っているようにしか見えない。

「んっ…ふっ…やぁ…」
「あんま可愛い声出すんじゃねーヨ。我慢できなくなンダロ。」

一層濃くなる匂いと声で、ボクサーが汚れる。
舌を絡めると小さく漏れる吐息。
乳首に触れるたびに、ビクビクと体が跳ねる。
可愛くて、愛しくて、何度も名前を呼んだ。

「や…ともく…あっ…」
「キモチイイ?」
「んっ…うぁ…ひぅ…」

返事を聞くまでもない。
喘ぐ雛美が可愛くて、もうあまり待てそうにない。
ゆっくりとショーツを下ろすと、雛美が動きを止めた。

「怖ぇ?」
「…うん」
「嫌じゃねーノ?」
「いや…ではない…」
「痛かったら言えヨ。」

嫌じゃない、と言われて、ホッとする。
固まってしまった体をほぐしてやりたくて、抱き上げた。
体を預けてきたのを確認しながら、そっと割れ目をなぞる。
ビクッと強張る雛美の頭を撫でながら、指をゆっくりと入れた。

「やぁ…」
「痛ぇノ…?」
「ううんっ…なんかくるし…」
「悪ぃ、俺もあんま余裕ねーから…」

雛美の熱い吐息がかかる。
しがみついている手が気持ちいい。
雛美の中は熱くて濡れていて、俺の指を奥まで飲み込んで行く。
花芯に触れると、雛美がしがみついてきた。

「あっ…やっん!やすと…く…それ…っ変になっ…」
「ん…俺も変になりそォ…」
「んふっ…やぁ…」
「中、トロトロだネ。…悪ィ、もう我慢できねーわ」

雛美の匂い、声。
押し付けられる胸とクチュクチュと響く卑猥な音。
入れたくてたまんねぇ。
ゴムを探して立ち上がると、雛美の手が伸びてきた。
手を繋いでやると、ぎゅっと握り返してきた。
ゴムを付けて戻ると、雛美はまるでガキみてぇに両手を伸ばしてた。
そっと抱きしめて、押し倒す。
雛美を抱ける、そう思った瞬間理性が吹き飛んだ。
逃げられねェように首に噛みつき、雛美の中に押し込む。
狭くて熱くてヌルヌルして、今にもイキそうだ。

「やぁぁっ…くふっ…」
「痛ぇ?」

雛美の苦しそうな声で我に返る。
優しくしてやりたかったのに。
雛美が首を横に振ったのにホッとして、こんどはゆっくりと奥へと押し進めた。
首を甘噛みすると、雛美から嬌声が漏れる。
全部入ると、背中に爪が食い込んできた。
雛美は苦痛に顔を歪めている。
少しでも楽にしてやりたくて、動きを止めた。
雛美の中はヒクヒクと吸い付いてきて、イキそうだ。
頭を撫でて、キスをする。
雛美の体から少しずつ力が抜けて行くのを感じた。
中も少し緩み、もうそろそろ動けそうだ。

「悪ィ、もう我慢できねェ…っ」

ゆっくりと動かすと、また締まりがきつくなる。
雛美から、大きな声が漏れ始めた。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音が雛美の声と合わさってめちゃくちゃエロい。

「あっ…あっ…へんっ…変になるからぁ…」
「気持ちいいノ?…俺も気持ちいいヨ」
「やぁっ…んっんっ…」
「ちょ…締めんなって…」


食いちぎられそうなほど締め付けるくせに、逃げようとする雛美にまた噛みついた。
あー、もう我慢できねぇ。
優しくしてやれなくてごめんな、そう口にしたがもう雛美の耳には届いていない。
ただ俺にしがみついて喘ぐ雛美が愛しくて、欲望のままに果てたーーー。


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