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 今生きるオレと、/リルユウ

RM2、ラストあたり妄想。負にとりこまれて、自身のディセンダーとしての本質と芽生えてしまった感情を整理する、そして受け入れる…リルトが過去の自分と対等する話。いつか本編で書く気でいるから書きたいところ、途中からはじまる…



この世界を救う。
それが、オレの使命。
それが、世界の意志。

世界を、そのためなら、オレは、
やり方は問わなかった。

世界のために、邪魔になれば生命を消すこともあった。
反抗する者は、躊躇いなく殺した。魔物であろうと、精霊であろうと、人間であろうと、害があると判断した者は、全て。

それは救世か破壊か、
見た者によってはどちらかにも捉えられたことだろう。

正義など、見た側の立場で変わる。
だから、誰にどう思われようと気にしなかった。

たとえ、どんな言葉をぶつけられたって、
オレのやることは変わらない。

そう、思っていた。

自分が、そうされる分には。






──世界の意志によって生まれたものは、それを生んだ世界そのものであるのと変わらない。
──その意志が、もし、災厄に襲われたとしたら、それによって生まれた存在もまた、災厄に包まれるだろう。


──世界樹が負に侵された今、その世界樹によって生み落とされた救世主も、同じ痛みを、苦しみを受ける……それが世界の、理だから。





「早く、なんとかしないと、だよね……」

魔物退治の、帰り道。
カノンノが、立ち止まって空を見上げて、ふいに、そう呟いた。
世界樹から放出されていた負の影響で、一部の空が淀んでいる。それを見ての、呟きだった。
それに気づいたユウがカノンノの呟きを拾い足を止め、一緒にいたリルトや他のみんなも遅れて立ち止まり振り返る。

「ああ…なんとか、するよ。俺は世界のことは、よくわからないけど、みんなを救いたいから…」
「ユウ…うん、ユウが居てくれるんだもん…大丈夫だよね」

そうだな、とみんなが口々に返す中、リルトだけは反応をしなかった。
いや、しなかった、というよりは、

「あ、ごめんね、足止めちゃって!なんとかするためにも、早く帰ろう!……って、リルト?どうかしたの?」

できなかった、という方が、正しいのかもしれない。
立ち止まっていたみんながカノンノの行こうという声でまた歩き出した時、一人脚を止めたままでいたリルトにカノンノが気づき、声をかけた。
空を見上げたまま、固まっていたリルトに。
「リルト…?」
声をかけても反応がないリルトに、カノンノは心配になったのか再度名前を呼びかけ、今度は近づいて顔を覗き込む仕草をしてみせた。
それでもなお反応のなかったリルトにカノンノは「大丈夫…?」と次はそう声をかける。
覗き込んだリルトの顔は、随分と顔色の悪いものに見えた。
一切反応がないリルトに、ユウも心配になったのか、近づいてカノンノの隣で同じような行動をとる。
顔を覗きこみ「リルト、大丈夫?」と問いかければ、やっとだが、ゆっくりとリルトは視線を空から逸らしユウたちの方へと顔を向けた。
しっかりと見えた顔はやはりどこか具合が悪そうに見えて、

「リルト、少し、休もうか?もう依頼もあとは報告するだけだから……顔色がよくない…ちょっと今日結構戦闘が多かったもんね……辛いなら無理はしないほうがいいよ。みんなも、それでい───えっ!?リルト!!?」
「うっ………あぁ゙……ッ」

胸を押さえて膝をついたリルトに、近くにいなかった他のみんなも駆け寄る。近くにいたユウとカノンノはリルトの身体を支えて「どうしたの?」「大丈夫?」と声を掛け合っていた。
しかし、これは、体調が悪いとか、そんなレベルでは……

「はぁッ………あ、あぁ……こんな…」
「リルト…?」
「こんな、世界、救う、価値なんて……こんな、世界…こんなァ…ッ!!」

こんな、クソみたいな生命が、人間が巣食った世界なんて!!!滅んでしまえばいい!!

ぼそりと呟いた言葉に反応したカノンノは、そのあと続いたリルトの言葉に驚愕を口にする。苦しそうに胸を押さえながら、息絶え絶えに吐き出した言葉に。

「リルト!?急に、何を言い出すの!!?」
えっ、と誰かから驚きの声が漏れた。

「おまえたちのようなやつが、あいつを……おれたちが、なにをした、なにもしていなかった、なのに、なのにィ……!!」

虚ろな目で、自身の体を抱きながら、震えながら、リルトがボソリと言葉を漏らす。
その度に周りにまとっている紫色の煙がリルトを押しつぶすかのごとくあたりを漂っていた。
そしてそれは、リルトの感情に応じて大きくも小さくも形をかけえていき、まるで牽制しているようなそんな風にもみえた。

「これって…瘴気!?そんなどうして……」
「今まで、そんな兆し…何も……とにかく、今は、浄化を………うあッ!」
「ユウ…!!?大丈夫?!」
「力が、大きすぎて……浄化が追いつかない…」
「そんな!?…って、なに、これ…どんどん、大きくなって、いく……!?」
「イアハート!近くにいたら危険だ!離れて!」
「ユウも!でも、なんでリルトが、負に…しかも、こんな……いままでで、見たことないよ、こんな膨大な…」

見たことがない、というのは、人や魔物の限りでは、だ。元であるゲーデやゲーデに侵された世界樹も、かなり、膨大な量の負をまとっていた。

「何で、なんで……いたい、くるしい……あああ、あああああ、ちがう、オレは……あ、ああ…」

震えが強くなり、苦しげな声を上げながらリルトは後ずさる。

「くっ、リルト!今、助けるから!」

その苦しみを、一度は受けたから知っている。怒り、悲しみ、様々な負の感情が、一気に身体中をめぐる感覚。重く、苦しい状況を知っていたカノンノは胸をぎゅっと掴み、リルトに心配と、恐怖を帯びた目を向けた。
膨大な量の紫色の煙のようなものをまとったリルトは、カノンノ達に、殺意のこもった感情をぶつけていく。
ユウが止めに入ろうとしたところを、溢れ出る負から逃すように一緒に来ていたメンバーが腕を引いて引き止めた。危ない、というみんなにユウは目を伏せてから、不安そうに、悲しそうに、そんな風に見える表情をリルトに向ける。

「人間なんて、人間なんて……みんな滅びてしまえばいいんだァーーー!!!!!」




***───────***







闇の中に見つけた、佇む一人の人影に語りかける。
頭を抱えたまま動かない真っ黒な人影に。
それは、多分、オレを模した幻影だ。

真っ黒な影にそっと手を差し伸べれば、
その人影は、オレの手の動きに合わせるかのように、ゆっくりと動き出す。

「知らない方がよかったって思うこともある……オレは、ずっと、後悔はしているよ」

何かを、問いかけられたわけじゃない。
ただ、自分に言い聞かせるように、オレは目の前の影に向かって話し始めた。

「でも、何かを恨んだところで何も変わらない。結局、何かのために、自分のために行動をしてるのは、同じだ。何も変わらないだろう?」

手を差し出したまま、言葉を、重ねていく。

「オレは確かに人間は嫌いだ。弱いくせに身勝手で、惨めで哀れなあいつらが。だからって、それをどうこういうつもりはない。力ないものが、そうなるのは当然のことなんだから」

紡いだ言葉は、ただの自分語りだ。
今までにあった経験からの、話に過ぎない。
それでも、だからこそ、話さなければと思った。たとえ、今は分からなくても、気持ちは伝わると確信していたから。

「諦めてるって言えばそうかもしれないな。でも、オレは、何かにすがって、何かのせいにしていなければ生きられないなんて、そんなの、変わらないじゃないかって、そう、思ってしまったんだよ。
オマエが持ってるその感情が、人間の持つものと、違うって言えるか?恨みをぶつけて、力で解決しようとしてるその行動の、なにが違うっていうんだ?」

ゆっくりと動き出し、こちらに顔を向ける影に、言葉を続ける。


『結局は同じだ』
『ただ、弱いだけ』
『ただ、惨めなだけなんだ』

そう、諭すように、語りかける。

「オレも、オマエも…これでも、ディセンダーなんだよ。世界を救うために、そのためだけに生まれて来た。怒りだとか憎むだとか、不安とか恐れとか、そんなものは…必要ない。『悩む』ことなんて、ない。なにも、ないんだ……それに、あいつだったら、きっと─」

あいつなら、君ならきっと─くだらない、ってそういうと思うよ。



ゆっくりと動いた影から、影が伸びた。
差し出した手に触れるように、黒い影が、ゆっくりと伸びていく。

その伸びた影はやがて、オレの手に触れ、重なる。
手と影が重なり合い、目を合わせた、
その瞬間、

頭上に、闇の中に、一筋の光が浮かび上がった。

淡く揺らめく、青く澄んだ、優しい光。
懐かしい、そんな気持ちにさせる心地の良い輝きが。


「オレはなにものにも縛られない。

 オマエの苦しみも分かるよ。

 だけど、''オレ''はディセンダーなんだ」

世界を救うために生み出された、不安も、不可能も、何も知らない、無垢な光を持った自由な存在……それが、オレたち―ディセンダー―だ。

「過去をなかったことにもしない。後悔も忘れない。不安とか憎しみだとか、ないなんて否定はしないよ。でも、受け入れたりもしない。

 そんなちっぽけなものに左右されるなんてばかばかしいって思うだろ?まだ、オマエには分からないかもしれない…でも、大丈夫だよ。

 ''オマエ''にもいつか、そう思える日が来るはずだ。いつか……その後悔も、良かったと思えるようになるはずだ。''オマエ''が''君''と出会わなければ良かったと心から思うことがない限り、''オレ''が''君''との出会いを、なかったことにしない限り…いつかきっと…」

きっと……いや、そんな曖昧なことじゃない。なぜなら、答えは出ているから。

「…いや、絶対に」

そう、言い放ったオレの言葉に、影は問う。

『なんで、そんなことがいえる』

そんな問いに、オレは笑って、一つ間を置いてから、答える。

「オマエはオレだ。そして、オレはオマエだった。だから絶対だと確信を持っていうよ。オマエの中の光は、まだ、消えてない…だから、大丈夫だ」

微笑みかけながら、オレの手に重なった影を掴む。
そして、照らされて、はっきりと見えてきたその影の姿に、オレは意思をもって応えた。

「君と過ごした日々を想いながら、オレは、今を、精一杯生きるよ。

 だからオマエも、今を生きろ。いつか、約束を果たせる日が来る、その日まで」

揺れ動く黄色い髪が、オレのなびく影と重なる。
より一層強くなった光が影を照らし、緑色の瞳にオレの色が写り込む。
触れていた、掴んだ手からは、温かさが感じとれた。


「リルト……!!!」

影であったものを…''オレ''の手を掴む手に力を込めて、掴んでいない逆の手を今度は天へとかざす。
眩しく輝く光に手を伸ばせば、光の先から''オレ''の名を叫ぶ、複数の必死な呼び声が聞こえてきた。

ひとつは、強く、正直に生きる少女の声。
ひとつは、優しく、純粋な想いをもつ君の声。
ひとつは、
ひとつは、
増えていく呼び声に、オレはさらに手を伸ばす。
光をつかむように、声に応えるように。


「いこう。みんなが、待ってる」

オレに、そう言葉をかける。
微笑みそう言ったオレに、静かに頷き''オレ''はオレの手を握り返した。
影が重なり、一つの形になる。
強く握る手の感覚を得た瞬間、眩しい光りは瞬く間に闇を照らし出し、包み込み、握っていた手の感覚や、意識がだんだんどぼやけ、薄れていく。


眩しさに目を閉じ、そのままオレは意識を失った。



「……リ、、、ト」

「…リル、、、」

「…リルト!!」

遠い意識の中、だんだんとはっきりと聞こえてくる呼び声に気づき目を開けば、淡い光を背に浴びた、温かい光を放つ人影が見えた。
暖かく、安らぐ、無垢な光。

淡い光の中に、いつもの力強い瞳ではなく、少し心配を含んだ目を向け、倒れているオレを支えるユウがいた。
その後ろに、見慣れた顔が並んでいる。
心配そうにした顔のみんなは、オレが目を開けたことに気づくと、今度は少し焦った様子でまたオレの名を呼んだ。安心と不安を合わせた複雑そうにされた瞳が向けられる。
声を出そうと口を開こうとしたが、うまく動かすことができず、オレを見ていたみんなの顔が、複雑な表情からだんだんと不安の方へと寄っていくのを感じ、ただ、不安を拭わなければとその一心で、オレはみんなに、笑ってみせた。
少し、いやかなり、ぎこちないものだったと思う。それでも、みんなはそんなオレの表情を見て、少しだけほっと安心した様子を見せた。


倒れていた間、自分はなにをしていたのかは分からない。でも、自分がどいう状況に陥ったのかを知らないわけではない。
気付いた時には倒れていた、その程度の心配ようではないことはわかる。
それに、オレを抱きかかえていたユウを含め、その場にいる全員が傷だらけだった。
その傷をつけたのが、誰か。
自分が一番よくわかる。怪我の状態は、酷く見慣れたものだった。ひとつひとつは浅い。だが、異様なほどについた細かな切り傷がついたそれは、オレの戦い方による怪我であることは、本人であるオレにとっては一目見てすぐにわかる状態のものであった。

「リルト……大丈夫?」

オレが目覚めて、最初に声をかけてきたのは、優しげな中にも不安を感じ取れる声のカノンノだった。
大丈夫、というのは体調のことなのか、それとも現状のことなのか。
カノンノの声色からして、両方の意味を含んでいるのだとオレは勝手にそう感じ取った。

絞り出した声で、オレは答える。
「……ごめん。うん、でも…もう、大丈夫だよ」
みんなが、呼んでくれたから、光をたどりに還ってこれた。もう、オレは大丈夫だよ。
そう、笑いながら。


「俺、何も、気づけなかった……君が、抱え込んでいたものに」

「謝らないでくれ………君は、何も、悪くない…いいんだ、これが、オレの……むしろオレこそ、君を傷つけた…」

「そんな、こと………いいんだよ。怪我なんて、治せる……それをいったら、俺だって、君を傷つけた……なんども、なんども……!」

「それこそ…………君が、気にする必要なんて、ないよ………オレは、君と同じ、ディセン、ダー…なんだ…世界樹から負が消えない限り、オレについてるものも、消えない、オレには、君の代わりに、こうすることしか、でき、なかった…なのに結局そのせいで傷つけて、…君に、そんな顔をさせて…何やってん、だろうなぁ…はは……こんなことに、なるくらいなら、もっと早くに伝えて、おけば、よかった……ごめん、本当に…」

自分が何者だったか、そして自分が居る理由を、きちんと…伝えるべきだった。ただ、ただそう思って、ごめんと口にする。
ユウの辛そうな顔を見ていたら、痛いだとか苦しいだとか、そんなこと、気にならなくなっていて、
だから、笑ったまま、そう、口にしていた。
「なんで……」
辛そうにした顔のまま、ユウは倒れているオレを膝をついて抱えた体制のまま、体を震わせて、一度、一瞬だけ目を閉じて小さく言葉をつぶやいた。

「なんで、君はいつもそうやって……そうやって!自分は関係ないみたいな、そんな言い方をするんだ!!なんで、そんな風に笑って……どうして、なんで!!……君だって…キミも、俺の、俺たちの、仲間だろう…!!?」

呟いた言葉に続いて、今度は力を込めて、はっきりと、ユウは叫ぶ勢いで言葉を言い放った。
ユウが声を荒げたことに、そこにいた全員が驚きを顔にする。ユウがそんな風に、大きな声を出したのを見たのが、初めてだったからだ。
その全員の中には、オレも含まれている。
抱えられて、回されていたいた腕に、触れていた手に、力が込められていた。そして、うっすらと開いた瞑っていた目から、見えた瞳が、揺れ動いていたのが見えた。

「君が無事で、かえってきてくれて……ただ、それだけが、それだけで、嬉しいんだ……」

揺れ動いていた瞳の表面が波打ち、その波が目の端に溜まっていく。それは、涙。

「ユ──」
「よかった……ほんとうに、よかった…」


瞳から零れ出した雫を浴びて、オレは言葉を失った。
君が涙を流したこと、君がオレをそんな風に思っていてくれたこと。
ユウの姿を見て、声を聞いて、胸が詰まって、名前を呼ぼうとしたが、それは声にならなかった。

いつも、と、そう言った君の言葉は、
その流した涙は、感情は、
いったいいつからのオレに対するものなんだろうか。


泣きながら、微笑む、その笑った顔は、あの時の君と同じ、優しくそして儚い表情で……胸が、熱くなる。

ずっと、ずっと、会いたかった''君''の…見たかった''君''の、表情―カオ―だった。


「ユ、ウ……ッ」

気づけば、熱くなった胸を押さえながら、必死に''君''の名を呼んでいた。
何度も、何度も『ユウ』という名を。

君の泣いている意味がオレにはわからないように、きっと君にも、オレがいま名を呼ぶ意味は分からないだろう。それでも、求めるように、オレは何度でも君の名前を口にしていた。

今を生きる。
そう、決意したけど、
過去を忘れることもオレにはできない。
だから、どうか、せめて、今だけでも、君を感じさせてくれ。
遠い昔の、二人で過ごした、あの懐かしい日々を、どうか、思い出させてくれ。


「ごめんね……リルト」

こんなにも無理をさせてしまって
―あれから、ずっと、苦しめてしまって

「ごめ、ん…ユウ…ッ」

みんなを、君を、傷つけて
―あの時、なにも、してあげられなくて

ごめん。
その言葉が、どちらの意味だったのか…いや、もしかしたら両方、だったのかもしれない。
それがどちらだったにせよ、謝る事しか、今の俺―オレ―にはできなかった。



「リルト、起きれる…?」

ああ、君は、ほんとうに………

「……ああ、でも、あまり、動けそうにない……さっき、も言ったけど、オレと…ディセンダーと世界樹はつながっている……だから、世界樹が元に戻るまでは、俺の中の負は取り除、けない…」

「……そっか…でも、もう、大丈夫、なんだよな…?」

素っ気なくも見えるそんな態度。でも、それは別に冷めているとかじゃない。知らない、だけで、ほんとうはすごく…すごく、優しいことをしっている。
大丈夫?といい、優しくほほえみながら差し出された手。それをつかみ、立ち上がる。

「ああ、もう、暴走はしない…そんな体力も、残ってないし、もう……しないよ…………むしろ今はただ、少し、休みたい…かな」
「じゃあ船に…!」
「いや、ここでいい…暴走はしなくても、今は負の塊みたいなもんだ、そんなの、置いときたくはないだろう?世界樹が戻らない限り俺も治らないし…ここで待ってるよ、ユウが、帰ってくるのを…」


「ユウ……あとを、頼む…ゲーデを、世界樹を…」


「うん。行くよ、ゲーデを、止めに。これ以上、誰も苦しまないようにするためにも世界のためにも…」


ユウは力強い瞳と共に、自分の意志を、みんなに向けた。

世界を救う、最後の戦い。
最終決戦に、向かうために。

その決意を胸に、みんなに、向ける。
カノンノはそれに答えて、力強く頷いてくれた。他のみんなも、当たり前だとそう言いながら頷く。

ああ、結局、またオレは君を止めることはできそうにない。
でも、今の君なら、そう思うんだ。オレが居ないくてもこの世界の君なら、きっと、いや絶対大丈夫だ。
君には、想ってくれる人がたくさんいる。あの時とは違う。仲間を持てた、君なら…




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