かなりのダメージ
「料理、掃除、その他諸々の家事。そして勉強、読書。言うまでもなくテレビ、ゲーム、ネット。これらは全て禁止。分かったな?」
「…はい」
「とにかく寝ろ。薬飲んで寝ろ」
「……はい」
「ご飯は僕が持ってきてやる…いや待てよ。僕の家に来い。その方が面倒がなくていい。うん、そうだ。父も母もお前のことは気に入っているし、きっと快諾してくれるだろう。いや、してくれなくてもそうさせる」
「…それはダメ」
私が喜んで頷くものだと思っていたのだろう、赤司は少しだけ機嫌が悪くなった。
「なぜだ」
だってあなた、全中真っ最中でしょうが。
結局、少しの言い争いの後、辛くなったらすぐ赤司に電話するということで落ち着いた。
今はとにかく、早く寝たい。頭が痛くて辛い。
取り柄と言ったら丈夫な体しかなかった私が熱を出した。これは一大事である。私の唯一の家族である父は仕事で世界中を飛び回っているので、あてにならない。だから、赤司はあんなにも心配するのだ。
(でもさすがにお邪魔するわけにはいかんでしょ)
赤司に風邪をうつすのだけは嫌だった。
それに、赤司パパや赤司ママに迷惑をかけるのも嫌だった。
(だって末永くお世話になるわけだしー)
ここ数年、体調不良というものに出会っていなかったものだから接し方がちょっと分からないが、とりあえず今は寝ようと思う。(寝ときゃいーんだよ。寝ときゃ何でも治る。中学生の免疫力なめんな)という単純思考の元、緑間からの薬にも手はつけないことにする。
「…あー…辛い」
大体これも全部青峰が悪いのだ。
青峰の奇行に振り回された私の頭がオーバーヒートしたのだ。
赤司ごめんなさいとしくしく泣いたり、ふざけんな青峰とむかむか怒ったり。
ここ数日、まともに寝れていなかった。
体調不良より何よりも接し方がわからないのが、まず青峰。
好きだ、とか。
馬鹿じゃないのか。
キスも気持ち悪い。
「顔、あっつ…」
早く熱下がれ。