崩してバラして粉々さ
これ以上突っ走るとめんどくせーことになんぞ。俺の中で警報がなる。けど、もうどうでもいい。
「…離せ」
「やだね」
「……離して」
「やだ」
「…青峰のこと嫌いになるよ、」
「もう嫌いだろ?」
嫌いが大嫌いになろうと変わんねーよ。完全にヤケだ。もう一度キスしようとすると顔を背けられた。ムカついたから、栄坂のあごを掴んで無理やり唇を奪う。柔らかい。もう一度、もう一度だけ。止まらない。
「…信用してたのに」
ついに泣き出した。「お前って、ほんとよく泣くよな」冷たい目で見下ろす俺がいた。
しょっぺえ。栄坂の涙。
「告ってキスしたら泣いた」
「一緒に帰った。飯も行った」
「あいつは灰崎のことで悩んでて、俺に相談してきた」
「知らなかっただろ?赤司には言うなって口止めされてたからな」
「抱きしめた。何度もキスした」
「ちゃんとあいつは全部嫌がったぜ?」
「それこそ、泣くほどに」
赤司の表情は読めない。
「…青峰。今は、全中に集中しろ」
はっ。寂しいやつ。