またカッコ悪い俺の登場です
ぽつり、ぽつり、と話し出す栄坂を見て、何をそんなに気にしているのだろうと思った。赤司が栄坂のことを嫌いになんてなるはずがない。だって赤司はお前以上にお前のことを。
「…まな…！」
赤司の声がして栄坂がばっと振り向いた。ああ俺の役目終わったな。栄坂の背中をとんと押してやると「どうしよう…」とまだ悩んでるみたいだったので今度は膝かっくんしてやった。「うきゃっ！」「早く行け」
「…ありがとう青峰」
と走り出す栄坂を見送った。
あーあ。また俺あいつのために何も出来なかったぜ。