彼に106548のダメージ!


「むっちゃん……知らないうちにこんなに大きくなって」
「ごめんねーまなちん」
「いいよいいよ大丈夫だから」

(腰が…!腰がイった!)むっちゃんを受け止めきれなかった私。腰の痛みに涙目になってしまう。けどむっちゃんにそれは知られたくない。無邪気なむっちゃんに気を使わせるのは嫌だ、と平静を装った。

赤司が腰をさすってくれる。なぜか青峰は向こうでうずくまっていた。



「ひえっ!あたっ」

なんとかマットを片付け(むっちゃんがお詫びに手伝ってくれた。むっちゃんは百人力!)私の家にて赤司の整体マッサージを受ける。ほんとに赤司は何でも出来るなあ。

「前から思っていたが、」
ぐぎ!
「うきゃあ!」
ぐぎぎ!
「気を使いすぎなところがある」
ぐぎぐぎぐぎ
「ぎゃ!」
「嫌なことは嫌と言え!」

赤司は静かに怒っているみたい。



ぱっぱらぱっぱー!

「…完治!」
「当然だ」
「赤司はすごいなあ」

整体受けてる時はこのまま死ぬんじゃないかと思ったけど、なんだか以前より腰がいい感じだ!

「それはそうと、」
「ん?」

また説教か?

「なんで紫原はむっちゃんなんだ?」
「ニックネームだよ」

以前お菓子をあげたら懐かれた。紫原君と呼ぶと距離が遠い感じがしてやだと言われたので以降むっちゃんと呼んでいる。

「俺のことは赤司と呼ぶのに?」

(えっ?)

これはもしかして…、もしかしてのもしかして?赤司が目線を合わせようとしない。

「あれー、もしかしてヤキモチかな?」
「…ふん」

(あ、そっぽ向いちゃった)

「ねえ、征ちゃん?」
「!」

私としてはちょっとした意趣返しのつもりだった。

…だったのだが。

赤司の顔を見て思わず頭が沸騰しかけた。(あの赤司が照れてる!)
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