どうしてこうも残酷なんだ。

「せんせ、えっ」
「………」
「はっう…ん、せんせ、」
「…やめろ」

情事の最中。耳に残る鈴のような誰かの喘ぎ声。一気に萎える。気に障る。どうもこれ以上乗れなくなって、その腰の動きを止めた。俺の目に移るは、不満げな顔した17歳。その目には少しの怒りが。

「…ど、して」
「……すまん」
「ほら、元気になって。まだまだ若いでしょ、先生」

おどけた仕草でからかうように。俺の表情が変わらないのを見つけると、そいつは小さな溜息をついた。最終手段、とでも言うように小さな赤い下をペロリと出して。

「……青峰、」
「っ…」

何て生意気な野郎だ。

「…んだよ」
「あおみね、あおみね、青峰青峰青峰青峰!」
「…なんだよ」
「青峰、好きぃっ」

ちょっと照れてみせたりだとか、潤んだ涙目だとか。いろんなものがフラッシュバッグしてきて、目の前のこいつが全く別人の誰かに見えた。何か悔しくて、心の奥底を見透かされたような気がして、ムカつくからこいつの余裕さをぶっこわしてやろうと思う。

「…言っとくが、全然似てねーからな」
「嘘。その証拠に元気になったもん」
「なってねー」


「…まだママに恋してるの?私じゃダメ?ママにそっくりでしょ?」
「やめろ!」
「青峰、好き」




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