月面着陸
ぼくらはまだ見ぬ何かに恋をする
焦がれに焦がれて 手を伸ばす
例えばそれが 水の星を出ようとも
岩の星に 手を伸ばす
鉄の船に跨って 暗い宇宙に飛び立つよ
そして君に会った時 岩に抱かれて眠ろうか
（20140210）
世界
我々はまあるい星に住んでいる
頭が冴えた変人たちは
世界はひとつというけれど
オイラはそうとは思わない
ほれ あすこをみてごらん
人間どもが群れを成す 小さな世界がありやがる
願わくば どうかあの世界の住人にならぬよう
願わくば どうか奴らの奴隷にならぬよう
（20140210）
死とは
ページをめくるのと同じだよ
おそらくは 次に移ろうための
儀式かなんかに違いない
（20140209）
花の女子高生
アテクシも 咲き盛りの制服を纏う女子高生でありまして
いやしかし これっぽっちも華やかなものなどではございません
ちょいとアテクシの話を聞いていったくださいな
級友の子達なんかね みなさんご一緒に隅の方に集まって
ひそひそと話をされるているのですが
下品に笑い これっぽちの遠慮もなく口から蛆を吐きますの
あの子は不細工だとか その子は根が暗いだとか
彼は不能だとか、彼奴は貧乏だとかね
あゝけれど かくいうアテクシも今まさに
蛆を吐いておりました
（20140209）
水風呂
いや今朝ね オイラは寝ぼけていたらしいのだよ
浴槽に飛び込むと それはそれは冷てえ水風呂だったのさ
ほいで目を覚ましたわけなんだが それはとても焦ったね
いやぁ オイラの左心房の住人もびっくりさ
ひやっとしたが からっと頭が冴え渡ってね
それからそのまましばらく浸かっていてみたのだが
水風呂はいつの間にか オイラの温度になっていやがった
あの野郎 俺の温度をちゃっかり盗んでいやがった
（20140209）
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