ヨハン#ストーカーはだれ | ナノ
最近誰かから見られている気がする。何処に居ても何をしていても気持ち悪い視線が嫌っていうほど私の背中に突き刺さってくるのだ。ストーカーか何かに付きまとわれているのではないかと思ったが、まさか私なんかにストーカーがつくわけないし、その気持ち悪い視線以外は私には、歩いていると足音がついてくる、とかこっちを見てる人影がいたとかそういうことは一切なかった。だからストーカーではないはず。だけど監視されているみたいで気持ち悪いったらありゃしない。


「大丈夫なの?それやっぱりストーカーじゃないかしら」
「大丈夫大丈夫。もしかしたら私の勘違いかもしんないし」


体操服を脱ぎ制服に袖を通している最中の明日香が、こちらを見ながら問いかけてきた。あんなのきっとストーカーなんかじゃないだろうし、大丈夫に決まっている。だって私は明日香のようにそんなセクシーな下着を身につけられるほど魅力ないし胸ないし。どっちかっていうと明日香が知らない所で彼女がストーカーされてないかの方が心配なんだけれど。あーあ、私もあんなレースの下着付けてみたいものだ。ぎりぎりAの私にはシンプルな星柄のブラが実にお似合いだよ。いや、このブラが可愛くないって言ってるわけじゃないんだよ。だってこれ昨日買ったばっかだし。そんなこんなで私も制服に着替え終わって、体操服の入った袋をブンブン振り回しながら明日香と二人で教室に向かっていた。突然振り回していた袋に何か障害物がぶつかり(ぶつけてしまったという表現の方が正しいが)、私はその場に立ち止まる。頭を押さえていってぇ!と声を上げたのはヨハンだった。


「え?あ、ごめん!ヨハン」
「いや、いいけどさ。振り回すもんじゃないだろそれ」
「えーっとまあストレス発散に」


ストレス発散?と首を傾げたヨハンに対し、私の代わりに明日香が「ストーカーみたいなことされてるの」と言った。というか時々変な視線を感じるだけなんだけどね、と言ったらヨハンは顎に手を添えてうーんと考えるポーズをとったあと、「星柄パンツはくやつをストーカーする物好きもいるんだな」と真面目な顔して言い放った。隣に居た明日香はずっこけていたが、私は確かにそうだと頷いた。よほどの星好きなんだろうな、きっと。


「んじゃ、ばいばいヨハン。体操服ぶつけてごめんね」
「おう、じゃあな」


ひらひらと手を振りながら、私と明日香はヨハンに背を向けて教室へと歩き出す。うーんやっぱりひらひらレースの下着買った方がいいのかなあ、と言ったら止めておきなさい被害が増えるわよ、と明日香は苦笑しながらそう言う。それは面倒だからやっぱり私は星柄で我慢しよう。


って、あれ?ヨハンはなんで昨日買ったばかりの星柄の下着のことを知っているんだ?


!

(おかしい、ヨハンが居るはずの方向からいつもの気持ち悪い視線がするんだけど。)
(さぁ、早く俺に気付いてくれ!)
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