ヘルカイザー#反吐がでる | ナノ
ガン、と頭蓋骨と壁が酷くぶつかる音が響く。その衝撃で軽く脳震盪を起こしたのか、先ほどまで逃げようとしていた足元が覚束ずふらふらと壁を背に持たれかかっていった。俺を見つめていた脅えたような瞳は、今は焦点の定まってない朧なものへと姿を変えていて、これ以上俺に逆らわないと確信した俺は笑みに溺れる。ああ、やっとお前は俺だけのものだ。
笑いが止まらない俺を見つめるお前も綺麗だ。無防備に投げ出された太股も、デュエルディスクを携えているしなやかな指先も、風に靡くその髪も、美しくて仕方がない。肌理細やかな白い彼女の頬を撫でてやると、嫌悪感丸出しで睨みつけてくるがそれさえも美しい。きっと頭が痛くて仕方ないだろう、ピクリとも動こうとしない彼女の肢体はまるで人形のようだ。俺だけの、人形。唇を親指でそっとなぞってやると、ぐっと唇を噛み締めて俺の存在を拒否するようで、こんな状態になってもまだ抵抗を表す彼女が面白くて、顎を引いて無理やり唇の隙間から指を差し込んだ。もう歯を噛み締める力すらも無いのか、俺の指を受け入れ人差し指は彼女の唾液に浸る。生暖かくも心地の良い感覚。

「気持ち悪い趣味」
「そうか?俺は心地よくて仕方がない」

ニヤリと笑う俺に対して間逆の表情をする彼女。彼女の唇に突っ込んでいた自分の指を引き抜き、自らの舌でねっとりと舐め上げた。彼女の唾液は美味しくて、その姿を見ている彼女は死んだほうが良いんじゃない?と吐き捨てる。もう一度味わいたいと彼女の口に指を突っ込もうとしたら、もっといい方法に気が付く。直接味わえばいいじゃないか。彼女の顎に手を添えて上を向かせればあとは口付けるだけ。

「あなたなんかにキスされるぐらいなら、ゴリラに腰振った方がまだマシ」
「ほう、そんなにお望みならば嫌ってほどしてやろう」

深く口付けた彼女の唾液は甘かった。


(どれくらいしたら彼女は死ぬんだろうと勝利を得ることよりわくわくした)
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