ヨハン#欲望と攻防 | ナノ
今日は彼女が俺の家に泊まりにきくるのだ。彼女から明日泊まりに行っていいかと聞いてきたものだから、俺のテンションはマックスに高潮しているわけで、俺も男なんだから夜のこととか想像しちゃうわけで。そんなこんなでピンポンとインターホンを鳴らす彼女を満面の笑みで迎えに行ったら、迎え入れた彼女は見るからに眠そうな瞳で俺を見ていた。一体どうしたのかと聞けば、とりあえず寝かせてくれなんて返事が返ってくるものだから、慌てて俺は倒れそうな彼女をリビングのソファまで運ぶ。何故こんなにも疲れたような体で俺の家に泊まりに来るなんて言い出したのだろう、とあっという間に寝に入ってソファで寝息を立てる彼女の頬を撫でる。ん、と小さくと息を洩らす彼女に思わず俺の方は飛び上がった。まてまて、落ち着け俺。落ち着こうとしてよく周りを見渡したら、彼女が無防備すぎるとこがわかってしまって逆に俺は煽られたことに気が付く。あれか、日本で言う墓穴を掘るってヤツか。彼女が寝るソファの周りで自分自身と葛藤を繰り返していたら、いつの間にか時間は過ぎて彼女が来てから30分という時間が経っていた。ということは俺は30分ものの時間、ずっと一人で唸ってたということか。なんと間抜けな。


「う、んん、、仮眠完了、」
「お、おう?」


瞳を擦りながら彼女は目を覚まし、大きく伸びをした。その姿にさえ俺の心臓は反応してしまうわけで、少し早まった自身の心臓を抑える。完全に目を覚ました彼女に、彼女が来てからずっと思っていたことを聞いてみることにした。なんで疲れてるのにわざわざ泊まりに来たんだ、と。疲れているんだったら断りの電話やらメールを入れてくれれば俺も了承したというのに。問うた俺に対して彼女は、恋人と一緒に居たいって思うのは普通じゃない?どんなに疲れてたって私はヨハンに会いたかったの。そういった彼女に俺の心拍数は更に上昇を続ける。そんな無邪気な笑顔で可愛いことを言わないでくれ!今にも押し倒してしまいそうな俺の中の男が叫んでいて、せめて夜までは待とうと抑える。あれ、でも彼女は疲れていても俺に会いに来てくれてるんだし、余計に疲れることをしないほうがいいのか?いやでも疲れてるからとイヤイヤ抵抗する彼女を美味しく頂くのも…と妄想しかけたところでそれらを掻き消す。彼女の身体を心配するのが第一だ。今夜は頑張って我慢するしかない、と意気込んだ俺を何も知らない彼女が「どうしたの?」と覗き込んできた。はっとして彼女を見ると、先ほどはかけてあったふとんで見えなかったが首元を露出した彼女の鎖骨が目に入る。いや、これ耐えられるか、俺よ。


「変なヨハン」


さあ、俺の理性と欲望の戦いの幕開けだ。
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