ヨハン#しょーもないヨハン | ナノ
唇に熱が触れたかと思ったら、離れていく。そしてまた近づいて、口付けるのだ。
最初は何かの気のせいかと思っていたけれど、薄く目を開いてみたことで確かなものとなった。おいおいヨハン、一体キミは何をしているのかな。開いた視界の先で見えたのは、確かにヨハンで、確かに彼はあたしに口付けているのだ。飛び起きた方がいいのだろうかと考えてみたが、飛び起きたところでどうしようも出来ないような状態だし、このまま目を瞑っていようか、なんて思ってたら口付けているヨハンと目が合った。しまった、目閉じとくんだったよ。てかあたしヨハンの彼女でもなんでもないんだけど。


「ん、ちょ…っふ」
「なんか、エロい」


目が合った後、ヨハンがニヤリと笑ったのに気を取られていたら、口の中に異物感が広がった。ちくしょう、コイツ舌入れてきやがったよ。エロい、だなんて真夜中にこんなことしてきたあなたの方じゃないんですか、と言いたかったが絡め取られる舌ではそんなことは不可能だ。こいつをどう追い払おうか、舌でもかんだら引いてくれるかな、と思って軽くかんだら彼の機嫌を損ねてしまったようで、口の自由どころか、無理矢理引き寄せられて身体の自由も奪い取られてしまったではないか。ああ、逆効果だよ。というか、苦しいんだけどなと身を引こうとしたら顎をつかまれて奥深く口付ける。


「あたしってヨハンに殺されかけるようなことしたっけ」
「おいおい、今のをどうとったら殺そうとしてるように見えるんだよ」
「いや、現に酸欠で死にそうだったし」
「どう見たって愛の表現だろ?」


もっとこれから表現してやるぜ、と妖しく耳元で囁いてくる彼は、布団で隠れてるあたしの太ももを厭らしく撫でてくる。その手を無理矢理引き剥がして、今頃になってどういうことか、と聞いてみた。それで彼の口から出てくるのはばかばかしくて仕方ないことだった。ドローパンで黄金の卵パンを引いたほうがあたしを悦ばせてくるという謎の提案を十代がしたかららしい。まったくもってわけわかんないし、絶対言いだした十代はエロい意味で言ったんだろうし、それで黄金の卵パンを引いてここに来ちゃったヨハンに吃驚だよね。


「とりあえず、帰れ。そして無断で人を賭け事に巻き込むな」
「お前はいいかもしれないけどさ、俺が駄目なんだよな。ほら」


なんかどっかのお笑いのテレビでそんなネタやってたなあとか思いながら、股間を指差すヨハンをとりあえず思いっきりビンタしておいた。



(ビンタ一発で気絶だなんて最近の男児は弱くなったものだよ、ねえ明日香?)
(あれは気絶しなきゃおかしいわよ。だってどれだけ音が響いたか知ってるの?)
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