カイザー#カイザーに抱かれる | ナノ
ぬるいえろ

ず、と彼のものが自分の下半身を貫く感触が、嫌なほど脳天に突き抜けた。何回も慣れた感覚なはずなのに、やっぱり毎回の如く一瞬の不快感が襲ってくる。だけどそれは私の上に被さるこの男に即座に掻き消されてしまうのだが。私の上で彼は荒れた呼吸を繰り返し、いつもは真っ直ぐに綺麗なビー玉のような瞳が快感に打ち震えるさまは実に美しい。額には序盤は見られなかった汗を滲ませていて、それが頬を伝い滑り落ちていく。その跡をつー、と指先でなぞって行くとどうしたと低音が私の鼓膜を揺らした。彼の発する声ですら、心地よい。


「綺麗だなっておもって」
「随分と余裕なんだな」
「亮の頑張りが足りないんじゃないかしら」
「…ほう」


彼は私を余裕と言った。だけどそれはまやかしのものであって、ただ自分が限界だということを彼に悟られたくなかったが為。意地を張って亮に向かって突っかかってみたのもただの強がりだ。しかしその言葉に気を悪くしたのか、亮は怪しい笑みを深く口元に刻みいきなり私にかぶさっていた自身の身体を起こした。その所為で繋がっていた部分が引き離されることになり、あっと情けない悲鳴が零れる。一体彼は何を考えているのかはわからない。無理やり立ち上がらせた私の身体を引き、壁にもたれさせる。あー、これは嫌な展開になったな、と思ったら案の定また亮が私を貫いた。


「不思議ね」
「何がだ」
「つい一年前まで私はこんなじゃなかったわ」
「そうだな。デュエルだけって女だったお前は」
「あなたの所為よ」


私は変わった。いや、変えられた。彼に。彼を好きになってアカデミアに入ってデュエルを勉強してきたのに、やっと彼と付き合えるようになってからは全然違うことばかり勉強させられているじゃないか。腹が立つ。何が腹が立つっていうと、そんなことばかりしているくせに何故だか実技試験の成績は上々になっていったのだから。これで成績が落ちてしまえば私は彼にこの行為を止めさせる理由ができたというのに。あ、でもそれは無理か。だって結局は私は彼に溺れてしまっているのだから。


「あなたなしじゃきっと生きてけないわ。どうしてくれるのよ」
「ならずっと一緒に居ればいいことだ」
「簡単に言ってくれるわね」
「簡単なことだろう」


後ろから私の耳元で囁くように言った彼の声は酷く色っぽい。それだけでも私を震え上がらせることは簡単で。こんな状況で言う言葉じゃないわ、と言ったら黙らせるかのように彼は私を快楽に飲み込ませた。
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