カイザー#拍手ログ | ナノ


「スピードワールド、セットオン」


目の前のモニターにスピードワールドのカードが映り、ディーホイールのオートモードがスタートする。俺は手袋をつけた指先を握りしめ、しっかりと感触を確かめた。曇り一つのないどこまでも続いているような青空の下、風が俺の黒いコートを揺らした。とても清々しい気分で、今回の相手はどんなカードを操りタクティクスを見せてくれるのだろうか、と期待を膨らませた。そして息をひとつ大きく吸い込み、ディーホイールへと跨る。俺はライディングデュエルのこの瞬間が一番好きだ。準備を済ませ、走り出す前のこの瞬間が。鼓動が高鳴り、早く早くと心に体が急かされるのだ。デッキを取り出し相棒の姿を確かめる。新たなデュエルのステージでも、俺の相棒はお前だけだ、サイバードラゴン。ともに行こう。デュエルディスクにデッキをセットし、オートシャッフルが行われる。それから俺はハンドルを強く握りしめ、前を向いた。そこには車両もバイクもなにひとつ姿のない、ライディングデュエル用の道路。ここを俺は全力で駆け抜けるのだ。さあ、スタートの音が鳴り響く。


「ライディングデュエル、アクセラレーション!」


~20160707
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