少年の思い出 | ナノ
あなたは私の好きな人


十代くんは言っていた。自分が消えると、存在していたことすら忘れてしまうだろうって。しかしながら彼は消えてしまったのに、今私は彼のことを覚えている。彼に対して抱いていた想いもそのままに、彼をしっかりと覚えていた。でも残念ながら彼を覚えていたのは私だけで、クラスメイトたちに尋ねても十代くんのことは誰ひとりと覚えていなくて、寝ぼけてるの?なんて笑われたりした。自分だけが彼のことを覚えているなんて、まるで彼が存在していたのは自分の錯覚なんじゃないかって考え込んだりもした。

でも、確かに彼はここにいて、私は彼に恋をしていた。

彼は言っていた、遠い未来時空を超えることが出来るようになる、と。だから、私は、私だけは十代くんのことを覚えていようと思った。今度は私が貴方に会いに行く、その日まで。

彼が私に会いに来たように、今度は私が貴方の生きていた時間まで会いに行って。それから、きっと、貴方と同じ道を辿るのだろう。

20180114 思い出すend
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