―HNさんが入室されました

HN【こんばんは】

田中太郎【こんばんはー】

セットン【ばんはー】

セットン【お久し振りですね】

HN【ほんとにお久しぶりです。最近仕事が多くて…】

田中太郎【大変そうですねぇ。頑張って下さい】

HN【ありがとうございます】

セットン【そう言えば甘楽さん来てませんね】

田中太郎【甘楽さん、最近こっちに来る頻度減りつつありませんか?】

セットン【ですね。リアルが忙しいんでしょうか】

HN【でも甘楽さんはこんなこと言ってると本当に来そうですね】

―甘楽さんが入室されました

甘楽【みんな大好き甘楽ちゃんでーす!】

甘楽【もうもうっ!みんな私が恋しいからって私の話ばっかりして!照れちゃいますよ!】

田中太郎【本当に来ましたね】

セットン【嫌な予感ほどよく当たるって言いますし】

甘楽【皆さん、私がここに来る機会が減ったことが悲しいんですよね!】

甘楽【実は最近私も仕事が忙しくて】

田中太郎【今日は大丈夫なんですか?】

甘楽【取り敢えずは。今は知人が近くにいるんですけどね!】

甘楽【その知人が全然喋ってくれなくて寂しいんですー】

内緒モード HN【臨也さん、タイミングを見計らって入って来ましたね】

内緒モード 甘楽【いいや?今やっと仕事が上がったからね。まさか君の方が早く終わるなんて思ってもみなかったけど】

内緒モード HN【じゃあ今日は臨也さんが私の肩揉み係りお願いします!】

内緒モード 甘楽【明日から少しの間君の仕事量増やすからよろしくね】

内緒モード HN【えっ!?】

甘楽【明日からは少し仕事の方も軽くなるんでまた来る頻度上がると思います☆】

甘楽【皆さんの心に出来た穴を少しずつ甘楽ちゃんが埋めていきますよ〜☆】

田中太郎【まぁそんな冗談は置いておいて…】

田中太郎【普通の会話に戻しましょうか】

HN【そうですね】

甘楽【二人ともひどい!】

田中太郎【そう言えばそろそろクリスマスですね。皆さんどう過ごされるんですか?】

セットン【私は相方と家でのんびりと】

セットン【いつもよりはちょっと自由にクリスマスらしく過ごしたいです】

甘楽【私は気分次第って感じですかねぇ】

甘楽【多分いつも通りだと思いますよー】

HN【私もいつもと変わらないと思います。まぁ、何かあればと考えてはいますけど】

内緒モード 甘楽【何考えてるの?俺に何かしてくれたり?】

内緒モード HN【いいえいいえいいえいいえいいえいいえ】

内緒モード 甘楽【何その無駄な主張】

HN【太郎さんはどう過ごされるんですか?】

田中太郎【やっぱり普段通りですかね】

甘楽【セットンさんは相方さんにプレゼントとか渡したりしないんですか?】

セットン【一応考えてはいます】

田中太郎【どういうのなんですか?】

セットン【たまには少し高価な物を】

セットン【そんなものいらないって言ってくれたんですが、普段のお礼とか感謝を込めてプレゼントしようと思います】

甘楽【っていうことは、相方さんにプレゼントのこと言っちゃったんですか!?そう言うのは内緒にしておく方が良いのに〜!】

甘楽【でも、相方さん喜んで下さればいいですね!】

セットン【そうですねぇ】

HN【きっと喜んで下さると思いますよ】

セットン【ありがとうございます】

セットン【あ、ちょうど相方に呼ばれたので今日はこれで落ちます】

セットン【おやすー】

HN【お休みなさい】

田中太郎【乙でした】

甘楽【おやすみなさい~~】

―セットンさんが退室されました

甘楽【あ!そうそうそう言えば〜】







「は〜。チャット、久し振りでしたね」

私はパソコンを閉じる臨也さんの方を見てうーんと伸びた。
飲み終えたコーヒーが入っていたカップをキッチンに持っていく臨也さんを目で追って行く。

「そうだね。特に俺と君が揃ったのって今月で初めてじゃない?」
「あぁ、言われてみれば」

割りと長めにやっていたチャットのお陰で少々痛んだ首を回して和らげる。
そんな私の動作を見てか、「今日の肩揉み係りは俺なんだっけ?やってあげようか?」なんて普段と何一つ変わらない表情のまま臨也さんはそう言った。

「今日は臨也さんのそんなお言葉に甘えようと思います」
「はいはい。じゃあそこ座って」

顎でソファーに座るよう合図されたので、私は事務用のデスクからテレビの前のソファーに移る。

座っている私に立ったまま肩揉みをしてくれる臨也さん。
こんな光景滅多に見られないなぁ…

「ここらへん?」
「はい。臨也さんて意外と肩揉み上手ですよね。あんまり人にやらなそうなのに」
「まぁね。先天的な才能なんじゃない?」
「そんな才能持っててもどうせあんまり使わないじゃないですか、臨也さんの場合」
「今日はストレートに来るねぇ」
「あ、臨也さん今日穏やかですね」

そう言うと、「いつもだよ」なんて笑い半分に臨也さんは口にした。

「セルティさん達、相変わらず仲良いですね。微笑ましいです」
「新羅がセルティ至上主義だからね。セルティはセルティで満更でもないみたいだし」
「そうですよねぇ。久し振りに会いに行って来ようかな」

私が比較的明るい表情でそう言うと、臨也さんの手の動きが一瞬止まった。

どうしたんだろう、なんて思いちらっと臨也さんの顔を見上げる。
すると臨也さんも私を見下ろしていたようで、思わず目が合った。

「クリスマスぐらいは家で一緒に過ごそうよ」

予想外過ぎた返答に、思わず肩がビクッとする。
まさかそんな言葉が臨也さんから出てくるとは思いませんでした…あぁびっくりした。

「何もクリスマスに行くだなんて言ってませんよ。だってクリスマスは普段通り過ごすってさっき言ったじゃないですか」

あはは、なんて笑いながら言ったが、別に臨也さんと一緒にクリスマスを過ごしたいとか、そんな意味は無いんです。
誰がなんと言おうとそれだけは無い、ですよ。絶、対…。
ただ、普段通りの日常、を。
普通に仕事して普通にご飯作って普通に喋って普通に…
何一ついつもと変わらなくても良いんです。
それでも、お願いが一つだけあります。
言いたいことは、今のうちに言っておこう。

「……来年のクリスマスは二人でどこか行きませんか?」
「二人で?」
「いや、だって私臨也さんしか一緒に旅行とか行ける人いませんし」
「いいよ、都合が合えばね。何か考えとくよ」
「ありがとうございます!」

臨也さんを見上げたら一瞬だけ目が合った。
それなのにすぐ目を反らされたことに疑問が浮かんだけれど、ふふっと笑みを溢して私は再びテレビに視線を傾けた。




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