―バキュラさんが入室されました。
バキュラ{ばんはー}
HN〈バキュラさんお久し振りです!〉
バキュラ{ログ見ましたよー、}
バキュラ{相変わらず甘楽さんはウザイですねーリアルでもウザイのに、}
HN〈同意です。まぁ極稀にですが優しい時もあるんですよね、あれでも〉
バキュラ{寧ろ、そんなHNさんが優しいっすw}
HN〈あ、誰か家に来たみたいです〉
バキュラ{宅配っすか?}
HN〈わかりませんけど…〉
HN〈大方予想は出来てます〉
「はーい。今行きまーす」
「来たよー」
ガチャ、となまえが扉を開くと黒いファー付きの上着を着た男が立っていた。
まぁ彼の普段の服と言えば黒いVネックの長袖に黒いファー付きの上着というのがデフォルトだが。
久し振りに見たものだからやっぱり改めてその服装にはある意味感心した。
黒と言う色が似合いすぎてる。
おまけに携帯まで黒。
ここまで黒や夜が似合う男がいるだろうか。因みに夕陽まで似合ってしまう彼は本当に凄いと思う。
「露西亜寿司。お土産に買って来たよ」
「ありがとうございます」
「…ちょっと、その携帯見せてくれない?」
そう言われ私は臨也さんにあっさり携帯を渡してしまった。
何だこの臨也さんの表情。
眉間に皺が寄ってますけど何かありました?
「君たち、酷い言い様だね」
「え…?あ、」
やばい、すっかり忘れていた。バキュラさんとの会話。
「正臣君には俺も相当嫌われてるね」
「それとさ。デレるなら俺の前でデレてよ」
ああ正臣君。
私はこれから大変なことになりそうです。