※このシリーズは臨也が変態です。閲覧注意してください。















こっち見ないでください!
満面の笑みで手を振らないでください!
私、あなたとは他人ですから!!

「やぁなまえ。今日も元気付けに来たよ。俺に会うだけで元気が出るそうだからね、君は」
「それ誰情報なんですか」
「俺情報」
「それは情報じゃないです。理想です」
「ファイナルアンサー?」
「問われる意味が分かりません」

っていうか玄関のドアの間に足を挟むのやめてください!
閉められません!
でも何としても部屋の中にだけは入れさせませんからね!

「その強気な目、いいねぇ。今はそんなに強気でも、案外攻められるとすぐ泣いちゃったりするんじゃない?」
「どういう意味ですか」
「そう言う意味だよ」
「は?」
「だから君の泣き顔が見たいって言ってるの。いやむしろ俺が泣かせたい」
「110番しなくちゃ!」

私は電話を取りに部屋へと全速力で戻って行った。
ん…?
あれ、やばくない?
これじゃあの人部屋に入って来ちゃうじゃん!!

「相変わらず良い香りするよね〜なまえの部屋」

遅かった。
既に部屋に入ってきていたあの人は部屋を見渡し大きく深呼吸してはなまえの方を見てこう口を開く。

「俺さ、これってやっぱり犯罪?」
「今更ですか?」
「だってさ、俺はもう高校生の君より何歳も年離れてるから」
「付き合ってないんで何も問題ないですよ。それより勝手に人の家に侵入したりいきなり抱き着いてきたり…ってああああ!」
「嫌がってる君のそんな顔も大好きだよ」
「うわっ…つか暑いんでくっつかないで下さい」
「じゃあ脱げば?」
「セクハラもいいところです」
「なら俺が脱がしてあげよっか?」
「そういうの、もうお腹いっぱいですから」

呆れた私はやれやれといった表情で、抱きついてくるこの人を引き剥がそうと手で彼を押し返した。

「つかまえた」
「ちょっ…離してくださいほんとうに!」

押し返そうとしたはずなのにも関わらず、むしろ両手首を掴まれてしまった私は嫌よ嫌よともがくが、それは無駄な抵抗に終わる。
それどころか彼は嫌がる私を見て元気が出たと言った。

「今夜入ってる仕事も中々大変なんだけどね、頑張れそうだよ」
「じゃあ今から頑張ってきてくださいさようなら」
「なまえが腕を離してくれないから俺、帰れないんだよねぇ〜」
「あなたが手を離してくれないと私、通報できないんですよねぇ…」
「おお、怖い怖い」

すると彼は両手首を掴んでいた手を私の腰に回して思い切りぎゅっと抱き締めてきた。

「なまえ、あったかい」
「あなたはこんなことしなくても随分温かそうな格好してるじゃないですか」
「あれ?嫌がらないの?」
「嫌がると、余計凄いことやられるってもう学びましたから」
「ちぇ、つまんない。もっともっと嫌がってよ」

そして腰に回していた右手を後頭部に持っていき、彼は私の頭をポンポンと軽く叩いては、私を抱く手に更に力を加えて愛してるよと耳元で囁いてきた。
ほんと何考えてんだこの人。

「俺の家に来る?新宿にあるんだけどさ。招待するよ」
「いいです。これ以上あなたといると気が滅入ります」
「辛辣だねぇ。仕方ないから今日はここで帰ってあげるけど…次会った時はお持ち帰りしちゃうから」
「当店ではテイクアウトメニューはお取り扱いしていませんので」
「ならやっぱり無理矢理連れてっちゃうのが一番かもね。はは、楽しみだなぁ。じゃ、声が聞きたくなったらいつでも電話してきなよ。ワンコールで出てあげる」
「絶対電話なんてしませんから。ではさようなら」
「うん、またね」



(スキンシップじゃなくてセクハラです)



「あの…さようならって言ってからもう何分間もこの状態なんですけど…早く帰ってくれませんか」
「一度なまえに抱き着くと中々離れたくなくなるんだよね」





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