向日葵







誰よりも、グレイ様の一番になりたくて。
ずっとずっと、グレイ様だけを見てきた。
誰よりも、グレイ様の役に立ちたくて。
ずっとずっと、グレイ様だけに尽くしてきた。

なのに、なのに、
グレイ様は、ジュビアを見てはくれなかった。


「オレ、ナツが好きなんだ」


知っています。
ジュビア、ずっと見てましたから。
グレイ様の視線の先には、必ずナツさんがいた。

でも、どうして…?
ジュビアの方が、グレイ様のことずっと前から好きです。
第一、ナツさんは男の方じゃないですか。
魔法だって、氷を扱う彼には炎を操るナツさんより、水系の魔法を遣うジュビアの方が、相性がいい。

それなのに、なんで…。


「でも、ナツはきっと…オレよりルーシィが好きなんだ」


知っています。
ジュビア、ずっと見てましたから。
グレイ様の視線の先にはナツさんがいて、その隣には必ずルーシィさんがいた。
そんな二人を、グレイ様はいつもすごく悲しそうな目で見ていた。
ジュビア、知ってるんですよ。
ずっと、見てましたから。


「ナツの笑顔、すごく好きなんだ」


ジュビアの笑顔では、ダメなのですね。


「ナツの声、心地よくて」


ジュビアの声では、ダメなのですね。


「──だから、おれ……っナツが、」


好き、
そう呟いた彼は、すごく優しい表情をしていた。
見たことのない、優しい表情。
だから、つまりそれはジュビアではダメってことなのですね。


「グレイ様、ジュビアはずっと…あなたのことを、」


見ていたのに。




















向日葵 -ヒマワリ-

(私はあなただけを見つめる)









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