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「え、何なに!?」
全く状況が掴めない私は、目を白黒させて二人を交互に見る。
「はぁ!あー、楽しかった!」
「くくっ!ルーシィ、おま…っさいこー…ははは!」
「はあ!?」
未だ腹を抱えながら笑い続けるナツにイライラしつつ、グレイの意味深な言葉に首を傾げる。
「“楽しかった”…?」
「うん、どうだった?オレたちの演技」
「えんぎ…?」
混乱のとれない私に、グレイが説明する。
「ほら、今日はエイプリルフールだろ?ナツと二人でみんなを騙そうぜってことになってさ」
え、エイプリルフール…?
「ま、みんな途中で気付いちまったけどな」
「なのにルーシィだけ、見事に騙されてんだもんな!あっははは、やっべー腹いてー!」
「楽しくてちょっと演技に熱が入ったよな」
顔を見合わせて再び笑い出すバカップル。
私は、何だかこいつらに構ってるのが馬鹿らしくなって、身体の力が一気に抜けた。
「はぁ、もう…無駄に疲れたわ」
「楽しかったぜ、ルーシィ」
くすくす笑いながら言ったグレイの顔は、何だか嬉しそうだった。
迷惑なバカップル
(妖精の尻尾の名物。おひとついかが?)
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