エイプリルフールネタ







「ナツなんか知らねぇ!」


グレイの怒鳴り声がギルド中に響き渡り、其処にいた全員が声のした方に振り向く。


「もう我慢できねぇ!離婚だ、サインしろ!」

「あぁ、お前なんかこっちから願い下げだ!貸せよ、サインしてやる」


睨み合って、ナツはグレイから何やら紙を奪い取ると、乱暴にペンを滑らせグレイに渡すと、ギルドから出ていった。


「り、離婚…?」


流石はルーシィ。
ちゃんとツッコミどころがわかっている。


「てゆーか、あいつら結婚してたの…?」


少し引いたような苦笑い気味に言うと、ルーシィは紙を握りしめるグレイに目をやる。


「法律上、男同士の結婚は認められていないはずだが」

「いやいやいや!そんな真剣に考え込むことじゃないからね!エルザ!」


腕組みをして真剣に考え込むエルザにツッコミを入れ、うつむいたまま動かないグレイに近寄る。


「グレイ、また喧嘩したんなら早く仲直りしなさいよ?」

「…あいつとオレはもう離婚したんだ!」

「は…?」


まだ言うか、こいつは。


「でも…っ、」

「え?」


ゆっくりと自分の腹を撫でて、一言。


「この子はどうすんだよ…っ馬鹿ナツ!」

「ちょっと待て嘘だろーー!!」


何なの、なんなの!?いやいやいや、待てまて。
頭が混乱してきたぞ、ん?
落ち着こう。まず整理しよう。


「グレイさん?あなたは男性…」

「ルーシィ、オレ…っ一人で育てていく自身ねぇ…!」

「いやいや、産むこと前提で話進めんなーー!」

「ルーシィ、今日はツッコミがさえてるね」

「あんたは黙ってなさい!ハッピー」


泣きそうな顔をして、離婚届を見つめる。
てゆーか、この離婚届本物じゃない!
どこで手に入れたの…?
一体、どうやって…。
(こわいから訊かない)


「グレイ!」


いろいろ考えていると、ギルドの入口のドアが乱暴に開き、其処には先ほど出ていったナツの姿。


「ナツ…」

「やっぱりお前と子供を置いて出て行くなんてできねぇ…!」


帰ってくんの、はえー!
心変わり、早すぎだろ!


「オレが悪かった。また3人で一緒に暮らそう」

「…っ当たり前だ、ばかナツ!」


ハッピーエンド!!
なんかよくわかんないけど、ハッピーエンドだわコレ!


「ちょっとちょっと、ナツもグレイもどうしちゃったのよ?」


とうとう頭がおかしくなったのかと思いながら、二人の間に入って心配そうに見上げた。
刹那、


「「…っぷ、」」


二人が同時に吹き出した、と思いきや、


「「あっはははははは!」」


いきなり大笑いし出した。






















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