そこは暗くて、何もなくて、無音で。 探しているものがあるはずなのに、何を探しているかさえもわからない。 僕は、一体何を・・・―? 『ライトニングは、もういないんだ・・・っ、』 『・・・姉さん、』 ライトさんは消えた。 ライトさんは生きていた。 ライトさんは柱となった。 ライトさんは此処にいた。 「ライト、さ」 僕が見たものは確かに事実で現実であったはずだった。 目の前でライトさんはコクーンの柱となったのだ。けれど、ライトさんの妹―セラさんはそれを否定したんだ。 『お姉ちゃんは・・・?だって、今・・・笑って、』 僕たちが見た現実を否定して彼女は一人泣き崩れる。 夢を見たんだ。誰も口にはしなかったけど、皆が思っていたはずだった。 そうやって他を悪にしてでも自分に言い聞かせ、思い込ませ。 ―、だって、そうでもしなければ。 「・・・ライト、さ・・・」 負の海に、飲み込まれてしまいそうだった。 END |