「っひぃ・・・ぁ」
中指を深いところまで沈めてから、クイと折り曲げる。
いいところでも掠ったのか喰いしばった口の端から漏れる甘ったるい声に眉を寄せて喉で笑った。
「ここがええの?」
「ちが、ぁ・・・っ」
「嘘つきは嫌われるで」
あ、もう嫌われてたか。クツクツと笑ってやれば本当につらそうな顔をして俺を見上げるものだから、余計に加虐心がそそられる。そうゆうこと、どうせわかってないのだろう。だってバカやもんね。
「ほら、ちゃんと言ってくれへんとわからんて」
「っあ、っあ、も、やめ・・・っぁあ」
「え?なんて?」
「も、ぅ・・・あ、やめっ、やだ、ぁ・・・」
「ん?」
きこえんで?アオの耳元で囁いてやれば突っ込んだ中指をきゅうと締めるから興奮する。わざとアオの前立腺を掠めて何か話そうとするのを妨害しているのだ。
いきたくて、いきたくて仕方がないというようにアオのガッチガチに勃起したちんこは張りつめて震えていた。先走りはまるで漏らしたみたいにアオの腹の上を濡らして光っている。根元を細い紐で縛ってあるせいで、ああ・・・とても痛そうだ。
「可愛そうなアオ」
「おねが・・・っもう、」
「だーめ」
「っあああ、もっもう無理っむり、っあ、ぁああ、たすけ、あっぅああ」
狂ったように無理、無理、と首を左右に振るアオに笑うしかない。
両手両足を縛り、さらにちんこの根元まで縛る。いきたくてもいかせない。こうやって極限まで追い詰めるのが俺は好きだったしきっとアオもこれ以上ないくらい好きなんだろう。いきたいいきたい、と腰を振るアオは愛しいほどかわいい。セックスほどアオのかわいさを引き出せるものはない。本当は今すぐにでもアオのケツの穴に自身の張りつめたものを押し込みたいけれどそろそろ本当にアオが壊れてしまいそうだ。仕方ないのでやさしくアオの汗で張りついた髪の毛を梳いてやり、おでこにキスを落とした。
「ほな、これでおしまい」
「っ、え・・・?」
「後で手と足解くから待っとって、先風呂入ってくるわ」
「や・・・っ、ま、待って、やだ、やだって・・・く、くらっ、」
突っ込んだままだった指を引き抜くと、ひっ。なんてかわいらしい声をあげるアオに少し決心が揺らぐ。やっぱ続行でもいい気がしてきた。が、ここは我慢だ。
本気で言っているのか、と目で訴えかけてくるアオに床オナすんなよ、と笑って見せて立ち上がった。
「おとなしくしてなあかんで?うるさい子は嫌いや」
「っ、」
泣きそうに顔をゆがめて口を閉ざすアオに満足げに息を吐き出す。
さっさと風呂に入ってこよう。自分の昂りも収めなくてはならない。あれ、なんで性欲処理できるやつがおるのに自慰せなあかんのやろ。いやいや仕方ないんやて、アオを絶望に突き落すためやから。
「はあ」
部屋を出て階段を下りていく。
そういえば、と以前棚の奥で見つけた小学生のころのアオの作文を思い出す。かわいいことにも俺のことを書いていたのには少々驚いたものの、まあ小学生のころ書いた作文なんてきっとアオは覚えてないだろう。丁寧にシュレッダーにかけて、ゴミの日に出しといた。
ちなみに、俺に兄はいない。
END