log | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

A


窓の外から聞こえてくる夜の音
頬を撫ぜる冷たい秋の風を、目を閉じながら感じ少しだけ身を捩った。

「こんなところで寝てたら風引くよ?」

「・・・マツバ」

ふわりと撫でられた髪の毛がくすぐったい。
重たい瞼を持ち上げれば視界に入るぼやけた古い友人に姿に寝起きの緩んだ頬に笑みをのせた。

「マツバ、はよ」

「おはよ」

ほら、もう寝な。
そう言ってすっかり冷えてしまった俺の頬を指でなぞるマツバ。
本人にその気はなくとも、その指先はくすぐったく、そして心地よい。
やめろよ、なんて笑いながらその指先を掴んで、少しだけそのまま考えた挙句その手に自らの指を絡めた。
少しだけビックリしたように目を丸めるマツバと目が合い、なんだか照れくさくってふいと視線を逸らした。

「・・・どうしたの、アオ。今日はやけに甘えただね」

「マツバこそ、今日はやけに絡んでくる」

床に敷かれたカーペットの上に腰を下ろし、尚も指を絡み続けるマツバに少しだけ笑ってみせる。
開けっ放しの窓から吹き込む冷たい、秋の終わりの風が身体を冷ます。
だけど、つながれた、絡まれた指先だけはボウと熱を持ったように暖かくて。

「ちょっと窓閉めてきて、寒い」

「嫌だよ。アオが行けばいいじゃないか」

面倒だからやだ。一言だけ呟いて少しだけ後悔。
こう言ったらもう自分で閉めに行くことは出来ない。だってここで折れたらかっこ悪いし。
少しだけ繋がれた手が強く握られ、視線をマツバにうつすも視線が合うことはなかった。

「ねえ、アオ」

「なんだよ」

冷たく凍えるような風に身を縮こませて息を吐く。

「こうすればあったかいと思わない?」

上から覆いかぶさるようにして抱きしめられて少しだけ笑った。

単純な答え

END

not恋人設定。