デスゲームのエンディングを飾るのは
※武器マス注意
「クダ、」
短くあげた悲鳴は途中で途切れ。そして終わる。否、耳を刺すような音が終わらせた。
肩で呼吸をする白。冷静に辺りを見渡しながらも額に脂汗を滲ませる黒。倒れる赤。
ああ、全てが嘘だと誰か言ってくれ。
「、」
「アオ様っ、」
グシャリ、肉塊を切り裂く音にうつろに視線を彷徨わせる。
顔を青く染めた白は両手で、赤く染まった刀を持ちながらニコリと頼りない笑みを浮かべた。
「だいじょうぶ、アオくん」
それが、俺の知っている陽だまりのような笑みだと気がついたのは数秒後。
目を見ひらいて、徐々にカタカタと震えていく体中に嫌悪感を抱く。
ああ、気持ち悪い。
「アオ様、意識を保ってくださいまし。まだ終わってなんかおりませんよ」
その言葉に漸く意識が、視線が定まる。
そうだ。まだ。まだ、終わってなんか―いないんだ。
「っ、あ・・・あ」
目の前に迫ってくる、気色の悪い物体に両手に構えた銃を発砲する。その反動でポロリ、目から涙が落ちていったのも気にせずただ、狙いを定めて撃っていった。
目を開けたそこはまるで地獄だった。
色を無くした世界。
あれほどまでにたくさんの色を持つ鮮やかな世界なんてどこへ行ってしまったのか。
黒と、白と、赤と、そして灰色に包まれた地球はまるで俺たちを拒むかのように荒風を吹き、どこから香ってくる異臭は俺たちを染めようとする。
まるで、そう。俺たちがこの世界の異端だといいた気に。
「ノボリ、伏せろ・・・!」
黒の背後に迫る赤に狙いを定め、発砲。
随分慣れたものだ。まさか、自分が発砲する日がくるだなんて、誰が思うか。
俺の相棒は今までずうっとポケモンで。それはこれから先だって変わらないはずの事実だったはずで。
「後ろは任したよっ、二人とも!」
二丁銃を構えるノボリと、刀を構えるクダリに背を預け深く息を吸い込んだ。
「行きますよ」
「・・・ああ。」
自然と抜けていく力。グ、と銃を持つ手に力を込め・・・発砲した。
さあ、もう一度生きよう
END