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「好きだよ」


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※近親相姦/相手視点



「・・・」

ぐっすりと眠る弟の髪を優しく撫でる。まだ少しだけ寒い、春の一日。
せっかくの正月だから、と去年からカントーで一人暮らしを試み、
今も尚カントーの穏やかな町で一人暮らしをする弟の元へ尋ねてみれば。

「こんなところで寝るなんて風邪ひくっていうのに。・・・まだ子供だな」

少し小さめの部屋に敷かれたカーペットの上に布団一つかけず
丸まりながら寝転がり居眠りをする弟につい笑みを漏らす。何年経ったって、どれほど成長したって。

「・・・かわいいな、もう」

グリグリと頬を人差し指で突き刺せば眉間に皺を寄せて身動ぎする弟にドキリと心臓がなる。やばい、かわいすぎる。

「ん、・・・」

「・・・アオ」

すっかり成長し、男らしく大きくなったアオ。背丈も僕とあまり変わらず、筋肉量だってけして少ないわけではない。
それでも。それでも僕が血の繋がった彼に抱くこの思いは、きっと。

「好きだよ」

指先でアオのやわらかい髪の毛を弄りながら、弟の口元に自身の口を寄せながら微笑む。
ふわりと香ってくる、久しぶりのアオの匂いのする室内に、アオ自身の匂いに、そして嗅いだことのないシャンプーの匂いに感覚が刺激されて目を細めた。

「本当、やばい」

いろいろと。
一人苦笑漏らしてどこにも行くことができないこの気持ちのやり場に悩んだ。

「・・・ん、あにき・・・?」

片目だけ薄く目を開き、気がつくアオにニコリと笑いかける。
アオの額に掛かった髪を退けながら頭を撫で、身体を起こしておはよう、と挨拶を交わす。
状況把握が出来ていない様子のアオにクスリと笑い
床に寝転んだまま僕を見上げるアオは少し笑みを乗せながらおはよう、と寝起きの掠れた声で呟いた。
ドクンと心臓が鳴る。これはダメでしょ、反則だよ。

だけど。だけど僕はルールを侵さない。大丈夫、完璧に被って見せるから
アオのお兄ちゃんを

「久しぶりだね、アオ」

「・・・ん、久しぶり兄貴」

なんで此処にいんの?と尋ねてくる"弟"にその話は夕食で、と微笑み返した。




END
次へつづく近親相姦