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「#エロ」のBL小説を読む
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out of eden


!軽裏表現あり
!姉弟設定
!近親相姦
!三角関係




「は、はる・・・、」

も、だめ。と息切れ切れにハルの背中に爪を立てる。
柔らかい布団の上に寝かされ、覆いかぶさるように抱きしめ執拗にいいとことばかりを掠るハルの指に声が漏れてしまわないよう唇をかみしめた。
今日は月が綺麗な夜だった。




「あ・・・アオちゃん、おはよ」

家を出てすぐ、石でできた階段にいつものように腰を掛けて小さな猫と遊ぶ真琴くんに少し驚きながら和むなあと微笑み挨拶を返した。
小学生の頃、弟のハルと同じスイミングスクールに通っていてそれから高校生になる今までずっと一緒だった幼馴染の真琴くん。
4つ離れているせいで小学校くらいしか学校は被らなかったけれど弟の幼馴染だけあって私の幼馴染ともいえるくらいには一緒に育ってきたと思っている。可愛い二人目の弟だ・・・といったら、少しだけ嘘になってしまうのかも、しれないけれど。


「ハル、今ね歯磨いてるからすぐ出てくるよ」

「まだ歯磨き中?もう、遅刻しちゃうよ」

「いつもありがとね真琴くん」

小学校に通っていた時より全然大きく成長した真琴くんを見上げて、困ったように笑った。真琴くんも少し目を丸めると照れたように顔を赤くさせていや、とそっぽをむいてしまった。
かわいい。・・・かっこいい。
いつから、弟の大切な幼馴染に対してこんな感情を抱くようになってしまったのだったっけか。もう、覚えてないや。ただ確かにこれは、恋心というやつで。
誤魔化すように視線を腕時計に移せば、すでに予定の時間は過ぎていた。


「あ、じゃあそろそろ行くね!今日も一日ハルのことよろしく」

「あっ、待ってアオちゃん!」

そう言って、私の腕を取る真琴くんに目を奪われる。
合った目に身体が固まり、心臓が一瞬高鳴った。


「あ・・・、」

「・・・何やってるの?姉ちゃん遅刻するよ。真琴も」

家から出てきたハルの登場に一気に現実世界へ呼び戻される。
昨晩の光景がフラッシュバックして、ああそういえば思いっきり爪、たてちゃった。大丈夫かな、とかぼんやり考える。自分の中に入ってくる、異物。
それでも確かにそれは私と遥の繋がりを感じられる。正真正銘の姉弟で、私たちは繋がっているって。傍から見ればおかしいかもしれない。それでも私たちは続けてしまう。
昨晩のような情事は決して今に始まったことではなかった。物心ついた時から、私たちは普通の姉と弟の関係ではなくなっていた。


「ハル、」

私の腕をつかんだままの真琴くんを責めるような目で見つめるハルに嫌な汗が浮かぶ。
様子をうかがうように真琴くんに視線を移せば、困ったように笑われてしまった。

「いってらっしゃい。アオちゃん」

「あ・・・うん、行ってくるね。二人も、行ってらっしゃい」


姉と弟と幼馴染と。
この表面上だけの関係はいつ壊れてしまうのだろう。
・・・いつ、壊れたっておかしくはない。破滅の音はもうすぐそこまできているのだから。

END