*ネタ提供


「あっ、まって、待って光、ひかる!ちょっ、まっ、ぁっ」

「静かにせんと、外まで声聞こえますよ」

「まっ、動かさない…でっ、中っやば…い、から、」

「そんなん言うても、随分気持ち良さそうにしてるやないっすか。どの口が言うとんの?」

「ご、ごめん、だからいっ、痛くしないで……光、てかっ、誰か来たらまずいってこれ、本当、抜いて、まじで、これ、抜いて、っ、ひかっああぅ」



「…えっ?あいつら何やってるん。」

放課後、部室の前。
中から何やら不穏な声が聞こえてくることに、俺と謙也は顔を見合わせて立ち止まった。
声の感じからして中にいるのは財前とハルとみた。明らかに様子のおかしいハルの声に、謙也は何を思ったのか顔を真っ赤にさせてきょろきょろと忙しなくあたりを見渡す。いや、わかるけど。その気持ちはわかるけど、そんなことよりも二人は中で何をしているのか。それが問題やろ。


「い、いや、まさか……」

しかし、いくら男子高校生といえど、こんな場所でそんな行為にいたるか?しかも二人とも男やぞ。尚も聞こえ続ける部屋からの嬌声ともとれる声に、想像が掻き立てられて顔に熱が集まっていく。いやいや、まさか、二人がそんな…しかもこの感じだとハルが下……って、何考えてるや俺は!

「す、すまん、ちょっと俺トイレ…」
「ま、待ちい、これどないすんねん、…入ってええんか?」
「せやかて、入らんわけにもいかんやろ…」


「ひかるっ、奥、入れすぎ…!!」

聞こえてきたその一言でなにかがブチ切れた。
もう我慢ならん!やめたれや!両目をぎゅっと瞑って、部室の戸を思いっきり開ける。瞬間静まり返る空気に、俺は恐る恐る目を開いた。

「は………ん?」

「白石…!謙也!」

「っち。もう来たんすか。ええとこやったのに」

「いや、…ん?えっ?何……やって…」

横になり、きょとんとした顔でこちらを見つめるハルと、そんなハルを膝枕する財前。もちろん二人とも制服はきちんと着ている。

目の前に広がる光景は、俺が想像していたものとは全然違くて呆気にとられる。俺はてっきり…。
しかしそうなると、一体なんだったのだろうか今まで聞こえてきた会話は。
状況が全く掴めずにはてなを飛ばしまくっていると財前はニヤリと嫌らしい笑みを浮かべてハルの頭を優しく撫でた。

「部長に謙也さん、二人してどないしたんすか?顔真っ赤にして部屋に飛び込んできて」

「な、な、ななん、」

「何勘違いしたか知らんすけど、ただの耳かきですよ。ほら」

そう言って財前は手に持った綿棒を見せてきた。
たしかに、紛れもなく綿棒だ。えっじゃあなんや、ただ耳かきしてもらってただけ?そんであんな声出るんか?は?

「お前らなにと勘違いしてたんだよ」

「い、いやそれは…」

「わー先輩らやらしー。ハルさん気をつけてくださいね、ケツ狙われてますよ」

「は?!おま、財前!なんちゅーことを!」

「…もうええから、はよ練習の準備せえ。まったく…」

珍しく楽しそうに笑う財前に、ほんま趣味悪い奴やなと嘆息する。ハルもどこか気まずそうに苦笑を漏らして起き上がるし、ほんまにただの耳かきでのじゃれあいだったようだ。まあ、あんな声出す方もどうかと思うけれど勘違いした俺たちも悪い。もうこれで話はおしまいやと未だ騒ぐ財前と謙也を諌めた。
しかし恥ずかしい話、しばらくの間はハルの顔をまともには見れそうになかった。





(んま、ベッドの上の先輩はこんなもんちゃいますけどね)

エロ漫画だったら別カットで実はバイブが入ってるよってシーン出てくるラスト