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おおかみ少年の末路


「高尾じゃん、今帰り?」

「んー?相羽こそ、帰宅部のくせに遅いのな」

「失礼だなあ」

「はは、どう?一緒にかえんね?」

「いーよかえろ」

笑う相羽。
放課後のことだった。すでに授業が終わってから約1時間くらい経ってるだろう、今日はテスト前だからってどの部活OFFだったし、残ってる生徒なんていなかった。
気が付かなかった。いつもはさっさと帰宅しているはずのクラスメイトである相羽がまだ学校へ残っていたなんて、不注意だったな。


「で、何してたん?こーんな時間まで、・・・あ。呼び出しとか?」

「いーや、べっつにー?高尾こそ彼女どうしたの?別れた?」

「うん、別れた」

うししと笑う相羽にからっと答えてやれば一瞬動きが止まる。
あれ、コイツこんな反応できんだ?笑顔のまま前を向いて何も返事を返さず歩いていく相羽におもしれーとか考えながらすぐ隣を、少しスピードを落として歩く。
かける言葉とか考えてんのかな。一向に言葉を発さない相羽に少しいじめすぎたか、と笑った。

ついさっき放課後のことだった。呼び出しをしたのは俺だけど、でもあっちから別れよって言われて、俺はそれをすんなりと受け入れた。
まあそろそろ限界かなーって思ってた頃だし。それに、好きな人ができた。って言ったら、今まで付き合ってきた子たちに殺されるかな。でも、それでもいーや。



「別に、後とか未練とかないし。その程度の関係だったんだろ」

「ふうん、・・・仲良かったのに、勿体ない」

「そ?まあ、周りにそう見えてたんならよかった」

実際、ケンカばっかだったからなあ。
険悪なカップルって、イメージ悪いし。あ、そだ。相羽の腕をとって動きを止めた。
怪訝そうに振り返る相羽にいたずらに笑ってみる。反応がなかったのは気にしないでおいた。


「好き、つきあお?」

身体を曲げて唇を寄せる。
動きを止めた相羽の唇を奪うのは、思っていたよりもずっと簡単なことだった。


「・・・次は私か。・・・ついに回ってきた、」

「ん?」

「私、嫌だよ遊び」

「うん、本気だからだいじょぶ」

「ふふ、信じられると思うか?付き合いませんよ」

まあ、ですよね。
そう言って笑う。
まあ普段の行いがイケなかったかなあ、さすがに信じてもらえないだろうとは思っていたけれどこうもバッサリ切られるとちょっとな。

その場に留まったままの相羽の右手を取って、かえろ?吐き出したい気持ちを飲み込んで、爽やかに笑って見せた。



end