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この支配からの (BaekHyun)




 自分たちの教室を開けると、なんだか活気がなくがらんとしていた。

「もうここに来ることもなくなるのか」

 隣にいるチャニョルが言った。間髪いれず、俺はそうだね、と返した。辺りはしいんとしている。誰かのおしゃべりも、笑い声も、叫びも聞こえてはこない。
 俺はポケットに手を突っ込んで、教室の中に入った。そうしてなんとなく、自分の席だったところへ腰を降ろした。一番前の、教卓のすぐ側の席だ。チャニョルは僕の目の前の教卓に椅子を持ってきて座った。チャニョルが胸ポケットにある花を教卓の上に置く。僕も花を机の上に置いた。ふう、とチャニョルが息を吐いて伸びをした。

「なんか……、あれだな」
「ん?」
「ぽっかり感」
「はは」

  

「なんか変な感じ」
「なにが?」
「俺たちもう大学生になるんだなあって」
「あはは、そのうちおっさんにもなってるさ」



 机に残っているらくがきや誰かがつけた彫り傷をなぞった。

「めんどいだるいって、散々愚痴ってたのにな」
「なあ」




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