はいはい、みんなのアイドル甘楽ちゃん、華麗に参上ですよう!
 いつものようなテンションで言ってみれば、キュイキュイと美味しそうにシェイクを飲んでいたシズちゃんが汚物を見るような目をし。正臣くんは食べていた月見バーガーをぽとり、とおぼんの上に落とした。私を見ているはずなのに遠くをみているような気がした。

 そんなにもこの登場シーンはいやなのか。

 つい心の中で考えてしまうけれど、うん、もう全部諦めちゃったよ。
 心の中でこっそりため息をついて、にっこりと微笑んでみせる。が、シズちゃんと正臣くんは時が止まったように動かず正直困ったものだ。

「そんなに甘楽ちゃんの美貌に見惚れちゃいましたかあ?」

 きゅるりーん☆
 そんな擬音が聞こえそうなくらいなウインクを一回してみる。
 シズちゃんが飲み込めずにいたシェイクをダーッと口からだらしなくだした。
 正臣くんが、気持ち悪そうに口を抑えた。何故だこの野郎。甘楽ちゃんの美貌に酔わないだなんてさっすがー!といいたい所だが、さすがにショックを受けちゃうぞ。

「甘楽さん、きもいです」

 ようやく正臣くんが喋った。
 いつも私を傷つけることしか言わない正臣くんだが、今日はそんな些細な言葉でさえ傷ついてしまう。もう私の心はズタズタよ。
 シズちゃんはようやく我に帰ったのか、「幽に貰った服がぁあああぁ!」と小さく叫んで急いでふきんで服を拭き始める。その行為にとてもときめいたが、既に染み渡っているバニラシェイクの残骸に苦戦しているようだ。
 …………一生懸命拭くシズちゃんに癒された。甘楽ちゃんのHPが700回復した。(3890/4200)になった。
 バニラシェイクがシモねた的なレにみえた。あえて言わないでおこう。殺されそうだから。

「…んで、何の用ですか」
「特に用なんてないです!正臣くんとシズちゃんがマ●クいちゃこらしていたんでお仲間にいれてもらおうとしました!」
「消えてください甘楽さん」

 いつもこっそり、イザくんが勝手に私の名前を使っているチャットを覗いていると、私(イザくん)の叩きっぷりが凄いから。それが現実(リアル)でも起こるだなんて。イザくんあとでめっちゃくっちゃにしてやる軽く血塗れにさせてやる。
 ようやくバニラシェイクを吹き終わったシズちゃんは、私が正臣くんに「ひどい!」と言っても、正臣くんが「うぜえ」と言っても動じずにキュイキュイと残りのシェイクを飲み始めた。

 ああ、もう可愛い!犯したい!!!!

 ツン死ねな正臣くんとキュイキュイなシズちゃんがいてくれたら、もう、私満足!それでイザくんがこの世から滅亡してくれたらああ、もう死んでもいいかもしれない!あ、やっぱいやだ。

「とりあえず、正臣くんとシズちゃんは大至急ラブラブできるホテルに行きましょう!」
「なんですかとりあえずって。死んで下さい甘楽さん」
「きゅいきゅいきゅいきゅい…きゅい」


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結構前の奴(20101211)
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