「勇気振り絞って言ってみる」 「うん」 こくり、と頷いてトウヤくんの返事を待つが、十数秒経っても何も言わない。勇気が振り絞りきれていないのだろうか、いや、でも何十秒でも何千秒でも何億秒でも待っててあげる。キミの言葉で、何を言いたいのか聞きたいし。 チクタクチクタク、一秒一秒伝えてくれる時計の音がやたらと煩く感じる。トウヤくんは、口を震わせて何かを伝えようとしてくれている。正直飽きた。 「トウヤくん、もういいよ。ボク眠くなっちゃった」 「ま、まって…もう少しだけ」 ボクは返事の変わりに、一段と大きなため息をついた。そしてまた、何百秒も待つことになる。ああ、そろそろ観たいテレビがあるんだよね。お昼寝もできなかった。 「トウヤくん、ボクさ、帰っていい?また今度でいいじゃん」 「…」 トウヤくんは何も言わなかった。 「じゃあね」 早くボクに告白してくれることを願って、 20101205 |