俺は朝からメンタル攻撃を食らっていた。職員室で近藤さんに挨拶をすれば返事もそこそこに逃げられるし、原田にも苦笑いされ逃げられた。永倉に至っては目の前を「よっしゃああ!」と叫ばれながら無視された。コーヒーの中に砂でもいれてやろうか。廊下に出て斎藤に会った。やはり逃げられた。平助にも会った。「ぎゃあ!」と言われ逃げられた。総司にも会った。「ハッ」と嘲笑された。なんなんだマジで。最後のヤツはやたら腹が立って追いかけたが逃がした。そのあとも山南さん、山崎、南雲とまんべんなく会ったが逃げられた。生徒会'sにも会ったが、あの白ラン野郎に「ざまぁ」と言われたので日誌を投げつけてやった。とどめに千鶴。50メートル先からでも挨拶をしてくれるやつが今日は50メートル先から逃げられた。真面目に心が折れそうになった。その状態で放課後。机の上に紙が乗っていた。きたねぇ字で「詩集を返して欲しかったら視聴覚室へ来てください」と書き殴られていた。紙をぐしゃりと握り潰し荒っぽくドアを開け廊下へ出た。煙草じゃ補いきれないイライラを発散するようにズカズカ歩いた。なんなんだ今日は。占い1位じゃなかったのか?深い深い溜め息を吐き視聴覚室のドアを開けた。

パン、パンパーン!

『ハッピーバースデー!』

………………は?
けたたましい音が左右からパンパン。ズラリと目の前に勢揃いする見知った先生と生徒たち。

「トシぃぃぃい!スマンかったあああ!」
「悪かったな、秘密進行でよ」
「本当は負けてたわちくしょう!」
「土方先生すみませんでした煮るなり焼くなり自由に」
「先生ごめんなー!どうしても驚かせたくてさぁ。あと宿題忘れました」
「あっははーサーセン。ヘコみました?」
「土方貴様、表へ出ろ!」

全員が全員自由に喋り過ぎていて一体何をしたいのかさっぱりわからなかった。が、最後に千鶴がおずおずとホールケーキを差し出してきてようやく理解できた。今日俺の誕生日だ。

「お誕生日、おめでとうございます」

はにかみながらそう言った千鶴。今朝は逃げてしまってすみませんと付け加え。そうだよな、こういうやつらだった。自然と笑みが口元から浮かんできた。ありがとう、一言いおうとしたら「ひーじかーたせーんせー」と横から呼ばれた。首を向けたらベチャ、と顔に衝撃。やたら甘い口。爆笑する総司と三馬鹿と、高笑いする風間の声。ありがとうの前にまずは処刑からだ。


20100506
一日遅れてしまった。
Happy Birthday!






‐‐‐‐‐‐

朝夷ちゃん宅から土方ハピバフリーをいただいてきました。
占い見てきたんだひじー(笑)そしてみんなの反応が面白すぎる、「よっしゃああ!」て(笑)
なんて祝われ方(^O^)でもなんだかんだでひじーを祝おうとするみんながすごく愛しいです。素敵なみんなをありがとう!



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