※ただヤってるだけ












花井の体を見ると反射的に「うまそう」だと思う。思うだけじゃなく涎も出る。俺のばかな脳みそは食欲と性欲の区別もつかないみたいだ。つかなくてもいいけど。

「うまそー」
「バカ」

ベッドの上でシャツにスラックス姿の花井に覆い被さったまま、首筋に鼻を寄せる。甘い匂い、なわけがない。初夏のじめじめした空気のせいで汗もねばっこい。でもなぜかその何とも言えない匂いに興奮する。おれ変態みたい。

「なめんな」
「うまいよ」
「馬鹿か」

余裕ぶった態度に少し機嫌を損ねて、首筋にいくつか強く吸い付いたあと、声を漏らすまいと固く結ばれていた唇を舐める。舌先で遊ぶように割れ目をいじくってから唇で啄むように吸い付く。俺は薄目を開けているけれど花井はぴったりと目を閉じて耐えている。目尻が赤い。花井は何も反応してくれないけど俺はどんどん興奮していく。犬みたいにふ、と息を漏らしながら花井の唇を舐めて、吸って、俺の唾液まみれにする。掴んだ手首をぎゅっと握って、股間を花井の太ももに押し付けたらびくっとした。往生際が悪いなぁ。
右の手首を離してやわやわと耳を揉む。優しく。それからいきなり穴の中に指を突っ込んだ。

「ひぁ、!」

思わず出た声が俺の股間にダイレクトで、肉食獣の気持ちで花井の口の中に舌を突っ込む。花井は堪えようとして「ん、んっ、」って声になってるけど、俺は本当に興奮した動物みたいにハァハァ言ってるもんだから少しみっともない。でもスマートなセックスなんかできた覚えがない。だって目の前に好物出されたのに涎垂らして食いつかないやつがいるんだろうか?それこそもったいない。
これは食事なのだ。俺と花井の。

「んー!ん、んんっ…っあ!」

舌で口ん中かき回したら溢れた唾液が飲み込めないみたいで花井が声を漏らす。それを聞いて俺はもっと唇を押し付けた。股間もぐりぐり押し付けたまま。きもちいい。花井も起ってきてた。うれしい。口の周りを唾液でべたべたにして呼吸を塞いでる。抵抗して胸に押し付けられた花井の手のひらが震えてるのを感じて俺はゆっくり口を離した。

「ひっ、ひぁ、あっ、ふ」

虚ろな目して必死に呼吸する花井の目尻に口づけた。ごめんね、でもおいしそうなんだもん。食べちゃいたい。涙と唾液を啜る。呼吸も奪ってしまいたかった。

「ひ…ちょ、バッ…カ!」

まだぜーぜー言ってる花井のシャツをやっと脱がして(よく考えればまだ脱がしてさえいなかったのだ)、ぷっくりとかわいくたっている乳首に唇を寄せた。花井の乳首は俺が散々いじくり倒したのですごくすごく敏感だ。時々シャツが擦れるだけで気持ちよくなってしまうらしく、俺はその上からでもむしゃぶりつきたくなる。

「あ…も、ほんと…やめっ…」

やめろやめろ言いながら花井の体は俺に触られて嬉しいって反応を返してくれる。白い肌はピンク色にそまって、瞳は涙で濡れてて、耐えきれないって風に小さな声を漏らす。本当においしい体。味なんかしないけど、唇も胸も股間でふるふる震えるそれも、吸い付いてべとべとにしたくなるほどかわいい。
右の乳首はちゅうちゅう吸ったまま左の乳首は指でこりこりいじってやると花井の体が跳ねた。声もまだ我慢しようとするから口に指を突っ込んでやったら噛むわけにもいかず声が漏れる。

「あぁっ、やめ、やだぁ…たじまっ」

今日初めての「たじま」に気分を良くして顔を上げる。乳首を両手できゅうとつまむ。「あんっ!」ってかわいー声が出て俺が笑顔になると、花井はむちゃくちゃ恥ずかしそうに目を反らした。

「ねーねーどうしてほしい?」
「…っ、馬鹿田島っ…」
「おればかだからわかんなーい」
「…、う…っ、っああ!」
眉を寄せてぷるぷる耐える花井がかわいくて俺はつい膝で花井の股間を刺激してしまう。びくびくしてる。つらそー。我慢すれば我慢するほど、花井はおいしくなる。

「ねー」
「…っ、わかってる、だろ…」
「わかんない。言って?」
「う……あ!あぁっ!やめ…ひぁあん!」

でも俺は我慢が苦手で。目の前においしそーなものがあるのに待てだなんてひどい。膝をぐりぐりぐりっと花井のパンパンになった股間に思いっきり抉るように押し付けたら、花井も我慢しきれなかったみたいでびくびくって全身を震わせた。いっちゃったみたい。花井は呆然とした後、泣きそうな顔になった。舐めたい。俺は今にも涙が落ちてきそうな真っ赤な頬をべろりと舐める。

「まだ…脱いでもないのに、いっちゃったね」
「ひ…う、う…」
「気持ち悪いでしょ?脱がしてあげる」

腕を交差して目を覆った花井の頭にキスをしてから、俺はそろそろと慎重に皺ひとつ、なかったはずのスラックスに手をかけた。もう今じゃ花井が我慢してた跡がついててしわくちゃだけど。ゆっくりベルトを抜いてそれを抜き取ると、いやらしい染みでぐちゃぐちゃになったボクサーパンツが見えた。花井のストイックな空気と全く真逆の卑猥な光景に心臓がドキドキする。息が漏れる。花井と同じくらい、花井よりもずっと、俺の方が興奮してる。
長い足を左右に開かせてその間に落ち着いた。両膝を立たせて太ももを上から唇でなぞる。一番下まできたところで、花井の方を上目遣いに見た。

「ね…食べて、い?」

先に俺が我慢できなくなってお伺いを立てたら、足を左右に広げさせられて恥ずかしい格好した花井が目を隠してた腕を上げて、「お前の負けだ」って言いたげな少し意地悪な顔して頷いた。意地っ張り!かわいい!俺は布の上から勢い良く花井のペニスにむしゃぶりついた。



つづくよ

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