俺の不幸で成り立ってる社会なんてクソだ。もしかしたら世間の誰かにしたらそれは幸福なのかも知れないけど。ばさ、と投げつけた雑誌には名前も知らない女子アナと熱愛発覚したらしい俺の写真が載っていた。馬鹿じゃねーの、バーカ。テレビの下らない芸能ニュースで俺の知らない奴が俺の恋愛について語ってる。アホらしくて笑った。彼らにしたら俺は脳ミソピンクの幸せモンらしい。今の俺見せたらどんな顔するんだろ。想像して、やめた。
こんな下らないニュースが変に騒動を巻き起こして、俺は今日自宅で待機中だ。野球をしてない時が一番辛い。逆に言えば、野球をしている時以外に生きている意味がない。野球は楽しい。それにしても人間としてはなんてつまらない人生だ。ベッドに寝転んでしまえばもうやることがない。おざなりにつけていたテレビを消した。
ベッドの下から引きずり出したエロ本の中の女を脳内で花井に置き換えて妄想する。なんて薄暗い行為。でも何より興奮する。白い胸板と固い太ももが俺の手で汗ばんで色付いていく。本来出すための場所が俺を受け入れるために弛んで、熱い中が迎えてくれる。雑誌の中の花井は腹の上に白く粘っこい精液を飛ばされて涙目でこちらを見つめている。ヤバい。ヤバいなぁ。俺もやりたい。ほんものの花井とヤりたい。あられもない姿の花井を想像し尽くして俺は息を詰まらせて射精した。
ぼんやりと脳裏に浮かぶあの白い肢体をほんとうに触れたら、どれだけ良いだろう。指と指を絡めただけでイッてしまいそう。きっと泣きたいくらい幸せだ。花井は俺の脳内でこんなことされてるなんて思いもしないんだろうなぁ。今この瞬間花井は何してるんだろう。側に誰かいるんだろうか。ヤってる最中だったりして。俺はお前をおかずにオナニーしちゃったよ。はは。好きだよ。知らないだろ。なぁ。
知らなくて、いいよ。



死にたい日曜日
100509/田島と花井
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -