「……やだ。」
「は?」


急に口を開いたかと思えば"やだ"と、いきなりどうしたのだこのモジャモジャワカメは。確か今は部誌を書いていて赤也のゲームについての熱い話を(半分受け流しながら)聞いていた所だったような気がする(あくまで気がする、正直聞いてなかった)


何が?と少し俯いた赤也の顔を覗き込む
覗き込んだ赤也の顔は何やら少しだけ悔しそうで下唇を噛み締めていた





「丸井先輩が、卒業すんの嫌だ」





オイオイオイオイ、このモジャモジャワカメは何を言っているんだろうか。そういえばもうそろそろ卒業シーズン。それに伴って受験シーズンなのである、少し前に感動と涙の別れで思い出が超詰まった立海大テニス部を引退した。(今はただ赤也の付き添いなだけで別にテニス部が心配なわけではない、多分。多分ね)


「…仕方ねえだろぃ、三年生なんだし」
「先輩いないなら意味ない」
「駄々っ子かよ」
「丸井先輩限定のね」
「バーカ」


確かに卒業が名残惜しいのは隠しようが無い事実。幸村くんも真田も皆、皆、今まで皆で歩んで来た立海大テニス部と立海大附属に、別れを告げたくないんだと思う
俺だって皆と別々になりたくねーし、勿論赤也と離れて生活するなんて息が止まりそうだ



「卒業しても学校来て下さいよ。もしくは俺が高校まで行くんで」
「まぁ、時間がある時は来るよ。メールも電話もするし、心配すんな」


ふわり、とした赤也の頭を撫でながらちょっと格好つけて言ってみる。やっぱり俺ってば天才的ー。それを聞いて少しだけ安心したのか顔をあげて笑う(うわめっちゃ可愛いんだけど)大型犬みたいな俺のモジャモジャワカメくん。




「丸井先輩、好き」
「ん?知ってる」
「丸井先輩好き好き大好き愛してる」
「知ってるって、俺も好きだよ」





赤也が嫌だ、って思うように俺だって嫌に決まってんじゃん。卒業までは思いっきり甘やかして素直になって残りの中学生ライフ楽しく過ごしてやろーじゃん。






ちなみに言っとくけど俺だって愛してっから。もちろん宇宙一



20110203
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