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「やっぱりアーチャーの方がいいと思うんだけどねー。
ランサーのどこがいいの?」
「ど、どこって…優しいところ、とか」
「どこが!?他の女の子にも平均的に優しいじゃない」
「そ、そうかも…しれないけど…」
「よーし、んじゃ1回アーチャーとデートでもしてみる?」
「させるかあああぁー!!!」
「ランサー!?」
「あんた、いつの間に!!」
「こっそり着いて行ってみれば…いくら嬢ちゃんでも、
それは許しません!!」
「ば…っ!自分が普段何やってるのか棚に上げて!何言ってんのよ!!」
ぎゃあぎゃあ。
静かなカフェが、一転して賑やかに。
「あ、あの、凛ちゃんも…ランサーも…」
「…やれやれ、騒々しいな」
「あ、アーチャーさん。凛ちゃんを…、」
「一度火がついたら止められんからな。
ここは一旦離れるのが賢明だ。
…さて、買い物に行くんじゃなかったかな」
「あ、はい。あの…ぬいぐるみ屋さんなんですけど…」
「構わんよ。代わりに私が行こう」
「あ、ありがとうございますアーチャーさん」
「それじゃあ、行こうか」
いつまでも気づかずに言い合いをしている二人を尻目に。
アーチャーは少し上機嫌に、カフェのドアを開いた。
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