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「ねえねえ、これなんてどうです?似合います?」
「あ、そうですね…でも王ならこちらの方が似合いそうですけど…」
「もー、ボクのときはそんなに丁寧でなくていいんですよ。
あと、名前で呼んでください、ってお願いしたじゃないですか」
「あはは、つい癖で…すみませんね」
「名前で呼んでくださいよ、ね?」
急に顔が近くなる。
じりじり、とそのまま追い詰められて、壁に背中がぶつかる。
「ち、近いです…」
「近づいていってるんですから、当然ですよ」
「あ、あの、離れて…」
「…な・ま・え」
「…ギル、ガメッシュ…離れて、ください」
「はい、よくできました」
そして頬に、くちびるの感触。
「!!?」
「あははは、今度ボクのときに『王』って呼んだら…。
…そのときは、わかってますね?」
赤い目がぎらりと光る。
ああ、やっぱり同一なんだなあ、と彼女はため息をついた。
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