*memo* | ナノ




Heart break-2-

※ ちょっとだけ春ちゃんが悲しい目にあいます…/先輩やオリジナルキャラが出るのでご注意を。また、管理人は春ちゃんが大好きです。春ちゃんに多少冷たく当たるプリンスが許せない!って方は閲覧はお辞め下さい。





「おやぁ〜?こんな所に蹲ってるのはだれかな〜?」

土砂降りの中傘も差さずに飛び出した。
瞬く間に服も髪もびしょ濡れになって、春歌はけれどそれ以上は走る事が出来ずに
雨で見えない視界の中、道の隅に蹲った。
頭の中が真っ白で胸にポッカリと穴が空いた様で。
自分にとっての幸いは、この雨が溢れてやまない涙を掻き消してくれる事だけ。
まるで自分の心の中の様だ。しゃくりあげなから雨に打たれる。
きっともう少し、そうもう少しだけ泣けばこの胸の痛みを治まる筈だ。
(もうあの場所へは帰れないけれど)

膝に埋めた顔だって何ら意味が無い。頭を強かに打つ雨は全身を濡らす。
温かいと思っていたけれど、体が冷えてきたからだろうか体は震えていた。
そんな中でふとパシャンと音がしたと思えば、この雨に似つかわしくない
陽気な声が聞こえて。春歌はそっと顔を上げる。

「あーっ!!!君は……えっと、誰だっけ…?」

少しだけ肩を濡らして、けれど笑顔は眩しいお日様の様な、そうアイドルの様な。
何処かで見た事がある顔だけれど、今は思い出す余裕なんてない。

「いやいや今はそんな事よりっ!」

1人で喋っている彼に、ふと微笑みを浮かべる。深刻な自分が場違いな様な気がして。
泣く事すら許されないような気がして。また胸に痛みが蘇る。

「こんな所にいたら風邪ひくよっ…!しょうがないからお兄さんの部屋にきなさ〜い!」
突然腕を引っ張り上げられたと思ったら、一緒に傘の中に引きこまれて気づけば
足が勝手に走り出していた。
自分より歩幅も背もある彼に引っ張られると多少よろけるけれど、考える事に
疲れた春歌は引かれるままに足を進める。


ここは何処なのだろうか、何だか少しだけ見覚えがあるその場所に
けれど春歌は促されるまま彼の部屋の入口まで来るとちょっとまっててね〜♪と
語尾を弾ませる彼に言われるままに玄関へと立ち尽くす。
静かな、部屋だ。そして温かい。雨も無い。

「ごめんね〜散らかってるけど入っていいよ〜!はい、タオルで拭いて」
拭いてという割には頭をわしわしとタオルで拭われて春歌はまるで子犬の様に
されるがままだ。服はびしょびしょだし、靴だって濡れている。
このまま部屋に上がるのが忍びなく、立ちすくんだままでいると
またもやぐいっと腕を引かれてバスルームへと放り込まれる。
「女の子は体を冷やしちゃダメでしょ、はい、これ着替え」
彼のTシャツだろうか。真新しいそれとタオルと一緒に渡されてじゃあゆっくりあったまって〜とまた陽気な彼の声が遠ざかっていく。
春歌はそれを手にしたまま、暫くその場に立ち竦んでいた。









■え…嶺ちゃん初書き…駄目だ口調が全然掴めない。
馬宮の中ではこんな感じです…許してけろん。
存在が三枚目とか…なんぞ。このお話では春ちゃんに後輩ちゃ〜ん後輩ちゃ〜ん!
して貰います…



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