膝を震わせ肩で呼吸する春樹の体を支えながら、男はハンカチで痕跡を拭い下肢の衣服を整えてやる。
腰に添えた手でそっと、しかし逃げるのを許さない力強さで春樹を歩かせた。
「もっと気持ち良くなりたいよね?」
「っ…ぁ…」
どこに連れて行こうとしているかなんて分からない。
だが何をされるのかは予想がつく。
逃げなきゃ、駄目だよ、だっていけない事なんだから。
常識と良心はストップを掛けるのに、春樹は何も言えず、腕を振り払って逃げ出す事も出来ず、瞳を涙で潤ませる。
( …俺…エッチな事、もっと…されたいんだ… )
体の奥がカッと熱くなる。
そんな春樹を盗み見て、男は唇に笑みを浮かべた。
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駐車場の隅に停めてあった車に乗せられ、白昼の車中で春樹は巧みな男の指によって、後ろの穴を弄られる快楽がどんなものかを教えられた。
それは男が車を走らせ始めた今も続いている。
「っ…ふ、あ…ぁ…あっ」
助手席の背に体を預け、荒く切ない呼吸をくり返しながら、甘過ぎる責め苦に悶えた。
運転をする男の手には楕円形のコントローラーがあり、伸びるコードは春樹のズボンの中へと続いている。
好さを目覚めさせられたばかりの敏感なアナルは、今、卑猥な玩具…振動するローターに犯されていた。
春樹のズボンの前は窮屈なほど膨らんでいる。
だが、性器の根元は男によってリングで戒められ、熱はぐるぐると渦巻くばかりだ。
たまらず弄りたくなっても、両手は後ろでに縛られ触る事も出来ない。
「ひぁぁあっ!」
運転する男の手が、コントローラーのダイヤルを回した。
動きが変わったローターに、びくびくと腰を跳ねさせて甘い悲鳴を上げる。
膝を擦り合わせて震えながら喘ぐ。
「初めてなのにこんなに感じちゃうなんて…淫乱だなぁ」
「あ…ぁん…違うの…っ、違うの…言わないで…っ」
「本当の事じゃないか。エッチで淫乱で、イジメられるのが大好きな男の子…ね?」
ダイヤルをゆっくり操作していた男が車を停めた。
未成年の同性さえ簡単に連れ込めるここは、男が愛用するラブホテルの一つだ。
薄暗い駐車場はガレージのように区切られ、降りてくる人物を他者に知られる事はない。
扉の横のパネルで部屋を選び、そのまま誰に会う事もなく目的の部屋に行ける。支払いも部屋の中にある精算機で、従業員と会う事もない。
快楽に震え歩けもしない春樹は、抱き上げられ、とうとう男の根城へと攫われた。
「ああぁ…っ! あ…っん…ンっ」
裸に剥かれた体を、ベッドの上で乱れさせられた。
舌で乳首を舐めしゃぶられながら、アナルに小振りのバイブを挿入され掻き回される。
リングを外されたペニスは、後ろの刺激だけで精液を跳ね飛ばした。
「ここに太くて硬いのを挿れられると、もっと気持ち良くなると思わない…?」
「ぁ…あっ…ん…ひゃぅ」
太くて、硬い。
想像して、春樹はゾクゾクと肌を震わせた。
ローションに濡れたバイブが抜かれ、代わりにあてがわれた男のペニスに、我知らずに釘付けになる。
凶悪なほどの成りをしているペニスは、血管を浮き出させて反り勃ち上がっていた。
そのグロテスクな亀頭がアナルに侵入していくのを、春樹は目が離せず見つめ続けた。
「あ…あ…っ、ひ、いっ」
ぎちりぎちりと、しとどに濡れた直腸を広げながら、巨根は奥へ奥へと春樹の体内を犯していく。
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