年の離れた姉には10歳になる子供がいる。
姫子にとって可愛い甥っ子だ。

姉夫婦は共働きで、どちらかが家に居ないときなど、実家(うち)に甥が預けられるのはよくある事だった。
人見知りのある甥だが、姫子にはよく懐いたし、姫子も素直で可愛い甥と遊ぶのは好きだった。


――好きだったのだ。
  つい、最近までは。…でも。


( 宿題を見てあげている時も、一緒に遊んでる時も…… )

…触られている気がする。
偶然を装いながら、太腿に胸、髪や腕を触っているようなのだ。
初めは気付かなかった姫子だが、いつしか違和感を覚えるようになっていた。
それでも、自意識過剰だと、姫子は気にしないようにしていたのだが…。

“違和感”が確実なものになったのは、いつものように甥を預かった、ある日の夜だった。



「ねえ姫子お姉ちゃん、ぼくも一緒に寝ても良い?」


小学4年生と言えど、まだ甘えたいのかも知れない。
甥が泊まる時は姫子の部屋で眠ることが多かった。

( …気にしすぎなのかな…。子供相手に、変に身構えちゃう… )

引っかかりを感じていたため、このとき姫子は直ぐには頷けなかった。
だが、何時もと変わらない甥の表情に「良いよ」とベッドの中に招いた。
きっと気にしすぎなのだ。
彼はまだ10歳、例えエッチな事に興味はあっても精通すらしていないだろう年頃で、何かあるとは思えない。

そう思い、姫子は甥とベッドに入った。
しばらく甥を窺っていたが、直ぐに聞こえてきた寝息に安心して、気付けば姫子も眠りについていた。




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



………ごそ…
…キシ…、…ギシッ…


( ―――…ん、…なに…? )

シーツの擦れる音がして、ベッドが軽い音を立てて軋む。
瞼越しに明るさを感じて眉を寄せた。
まどろみながらその音の場所を探して、体に違和感を感じ、そして姫子はハッと目を見開いた。


「ぅ、ん…? ーーッ!?」


口の中に何かが入っている。
それに、いつの間にか腕は頭上でベッドの柵に縛られていた。
スタンドライトの明かりに照らされて、姫子を見下ろし、幼い甥がうっとりと微笑んでいる。
姫子は激しく動揺しながらも、キッと強い眼差しで甥を睨んだ。


「ごめんなさい、暴れないでね、大人しくしてね、お願い姫子お姉ちゃん」

「ん、んーっ」

「ぼくね、姫子お姉ちゃんとエッチしたかったんだ。エッチしたくて、ぼくのおちんちんこんなになっちゃうんだよ」


甥は裸の下半身で姫子のお腹を跨いだ。
小学4年生の子供の性器は、けれど大人とそう変わらない形と大きさに勃ち上がっていた。
そのアンバランスさに姫子は眩暈がする。

( うそ…まだ10歳なのに…!! )

興奮で瞳を潤ませながら、姫子のブラジャーを押し上げる。
ぽろんとこぼれ落ちた柔らかな乳房を、たまらず両手で掴んだ。


「あはっ、柔らかい…これが姫子お姉ちゃんのおっぱいなんだ…!」

「う、うーーっ」


力加減が出来ていない指で、甥は姫子の胸を揉む。
少年らしい幼い顔立ちの中、瞳だけはぎらついた男のものだった。
姫子はギュッと目を閉じた。



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