姫子はエッチなアルバイトをしている。
いつ摘発されてもおかしくない違法風俗店だが、高額な給与は何よりの魅力があった。
勤務先のこの店は、業界の中でも特殊でマニア向けだと思われる。
一対一での接客はしない。
指名制もない。
顔出しも本人が嫌なら、マスクをしたり、ウィッグや眼鏡をかけて変装したりしている。
だからか、仕事仲間には人妻や年齢を偽った未成年など、他人に知られたら不味い人間が多かった。

四畳半の狭い仕事部屋の中には、ソファベッドが置いてある。
部屋によって雰囲気(ロリっぽいとか、姫系とか、デザイン)が違う。
どの部屋にも共通して『ある』のは、ソファベッドの正面の壁に開けられた、直径5cmほどの複数の小さな穴。

――『覗き穴』だ。

女性たちがオナニーするさまを、客は穴越しに見て各々の自慰に耽る。
この風俗店は『覗き』専門店だ。
覗き見ることに興奮する客層に受けているようで、仕事中、姫子はいくつもの視線を感じていた。


「姫子ちゃん、1本目だけど、Bルーム1時間入ってきて」

「はぁーい」


今日の姫子の衣装は実在する、マニアでは有名な女学院の制服らしい。
身バレ防止のために明るい髪色を黒に変えて、地味っぽい化粧と眼鏡を着けて変装している。
姫子は関係者のみが通る廊下を通って、扉から仕事部屋へと入った。
勉強熱心な女子高生の部屋をコンセプトとした個室だ。
ソファの上で問題集を見る振りをして、くつろぐように“その時”を待った。

……カコン。

覗き穴を塞いでいた板が外された。
一斉にいくつもの視線が突き刺さる。
はぁ…っ、と小さな、けれど熱っぽい吐息がこぼれてしまった。
手にしていた問題集をローテーブルの上へと置くと、意味ありげな素振りで膝をすり合わせて見せた。

興奮した鼻息が聞こえてくる。
壁の向こうで“女の子の1人H”が始まるのを待っている。

(男の人ってほんと変態…)

そのままソファーの背もたれに背中を預けて、姫子は片手でゆっくりとセーラー服の裾を捲り上げていった。
ブラジャーを裾ごと押し上げて乳房をさらし、そっと手のひらに包み込む。
指先で固くなっている乳首をクリクリとこねくり回し、摘まんで引っ張ったりする。


「ん…っ、はぁ…ぁ…っ、んっ」


声は我慢しない。
感じるまま喘ぐし、何だったら気分を上げるために“それっぽい”反応して見せたりもする。
覗き見が性癖の変態は、見た目とのギャップが好きらしいし。
生真面目な勉学少女の姫子は、恥ずかしそうに身を捩りながら、エッチなことに夢中になっていく。――そういう筋書きだ。

両足をソファーの上へと引き上げて、恥ずかしげな様子でM字に開いて“彼ら”に見せる。
仕事前に膣内に仕込んだジェルが熱で溶けて、ショーツにシミを作っていた。
右手で乳首をいじりながら、左手をショーツの中へと潜り込ませ、指を差し入れて掻き回す。


「んん…っ はぁ…っ、あ…っ、ん…、あ…っ あ…っ あぁ…っ」


粘液がぐちゃぐちゃと泡立つ派手な音。
濡れた吐息をこぼしながら、姫子は刺すような熱視線に愛液を滴らせた。

(やらしい目で見られてる…変態にオナニーするとこ、覗かれてる…)

腰がびくびくと震える。
イく前に次へと進めたかったが、つられるように興奮して軽くイってしまった。
悶えるように震えながら、濡れたショーツを両足から抜き取る。
姫子はローテブルの下に置いてあるボックスを引き寄せた。


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