お小遣い欲しさで援助交際をしている姫子は、その日も“パパ”と会っていた。
いつもと違ったのは、遣り取りが終わった後、男がアルバイトを持ちかけてきたことだ。

曰く、
月に一度を目安に開かれる“パーティー”があり、接待する未成年の若い女を新しく探している。
開始時間は昼間の時もあるがほとんど夜間に行われ、拘束時間はおよそ3〜5時間。
衣装は主催者側が用意する。
スキンは使用されないが、アフターピルは必ず用意されている。
ドラッグは一切ない。彼らに性病はない。SM嗜好の強い者もいない。
一回の参加で××万が支払われる。

(……つまり金持ちのエロ親父どもの乱交パーティーってこと?)

金と性欲を持て余した各界の色狂いが集まり、酒池肉林を楽しむ一夜。
「口止め料込みでだが、良い値だろ?」と話しを持ちかけられた姫子は、好奇心を抑えられずに頷いていた。


* * * * * * *


広いリビングルームのテーブルには、好きに摘まめるよう彩り鮮やかな料理が並んでいる。
カナッペ、ブルスケッタ、ピンチョス、ヴォロヴァン。
まだ世間を知らない17歳の姫子にとって、初めて食べるようなものばかりだ。
バーカウンターもあり、そこでは口の堅いバーテンダーが顔色も変えずに対応していた。
未成年の姫子にも当たり前のように勧められ、初めての飲酒に心も体も浮ついてしまう。

(有名ホテルのスイートルームがまさかこんな使われ方をしているなんて…)

姫子が初めて踏み入れた格式あるホテルの豪奢な部屋でさえ、彼らはヤリ部屋にしてしまうらしい。

キングサイズのベッドが2台ずつ置かれた寝室がふた部屋もある。
泡が弾けるジェットバスと、プレイ用のローションで満たされた猫足のアンティークバス。
いやらしい下着や衣装が飾られているクローゼット。
寝室に設置されたカメラから、入り乱れのセックス映像がリアルタイムで映されるシアタールーム。
その各所にラブローションやアダルトトイが用意されていた。

(色ぼけた金持ちの発想ってヤバいなぁ)

そうは思うものの、そのお金が欲しくて体を売っているのだから、姫子にとって金持ちの嗜好は歓迎するものだった。
パーティーらしくシャンパンを打ち合って始められたこの催しは、穏やかに会話をする者たちがいる一方で、早くもペッティングを始めている者もいる。


「姫子ちゃんは17歳なのかぁ、良いねぇ、若い子の元気を分けてもらいたいよ」

「おじさまだって、ほら、こんなに元気じゃないですか」


姫子は用意されていたランジェリーとナイトドレスを着ている。
どちらも有名な高級ブランドのもので、それを身に付けられる自分に高揚した。
そんな高価な衣装さえ男達によって布切れのように扱われるのかと思うと、姫子はゾクゾクと興奮さえ覚えた。

乾杯前から姫子を傍に侍らせていた男は、少女の白い手を自身の股間へと導き、その膨らみを触らせている。
スラックスの下で窮屈なほど硬くなるのを感じて、姫子の胸がドキドキと高鳴っていった。
緊張と不安、そして未知の経験への期待。
性に奔放なのは姫子もだ。
気持ちいいからセックスは好き。お金も好き。だからこのパーティーもきっと好きになれる。
はぁ…ともれた吐息は濡れていた。


「君はパーティー初めてだったね…、さあ、ベッドに行こう」


そっと舌を絡めるキスを落として、男は手慣れた仕草で少女をエスコートする。
腰を抱かれながらベッドルームへと誘われ、姫子は股間が濡れてくるのを感じた。



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