街外れに建つ病院には、外に漏れてはいけない秘密があった。
入院病棟のとある階。
ここで行われているあるまじき蛮行。
件の階に入院している患者は男のみ。
そして看護師は女だけ。
確かな伝手と紹介がなければその階の病室に入院する事は出来ないが、けれど希望する患者数はあとを絶たなかった。

そんな病院に姫子は勤めていた。


「それじゃあ行って来ます。何かあったらコールして下さい」

「行ってらっしゃい、頑張ってね」


ナースステーションに同僚を残し、姫子は夜も更けた暗い廊下を迷いなく進んだ。
ひと部屋ずつ見て回ることはせず、目的の病室へと向かっていく。
4人部屋の病室へと入れば、寝息もなく静まり返っていた。
カーテンがグルリと囲う簡易的な個室が4つ。
それぞれが息を潜めて寝たフリをしている。
クスッと思わず笑いながら、閉まったカーテンの部屋の1つ…枕元に明かりがついているベッドへと、姫子は入っていった。

そのベッドで横になっている入院患者は、足を軽く捻って捻挫しただけの軽傷者だ。
大袈裟に巻かれた包帯はカモフラージュ。
既に完治している男は、この病棟に来て2週間になる。


「ハァ…ハァ…、姫子ちゃん、ま、待ってたよ…」

「こんばんは鈴木さん、私のこと呼んでくれてありがとう。…ふふ…頑張るから期待してね?」


姫子は小声でそっと囁くと、手を伸ばして男の股間を撫で上げた。
掌の下で既に勃起したペニスがビクビクと震え、待ち望んだ女の指に涎を垂らした。

この病棟では勤務するナースを“買う”事ができる。
気に入った女にチップを渡して交渉が成立すれば、夜勤の時間に彼女たちは病室へと忍んできてくれる。

手淫でのオナニー補助、フェラチオ、素股。
金額次第ではセックスも可能だ。
組織ぐるみで成り立つ、この階のみで行われる売春行為。
入院費を払いながら更に金を出して買うほど、この病棟で勤務する女性たちは容姿も体も美しく、何よりも名器揃いだった。

病院を隠れ蓑にした高級娼館。
知られてはいけない実態がそれだ。


「鈴木さんのもうこんなに固い…。苦しいよね、すぐ楽にしてあげるね」


入院着のズボンをずらしてテントを張る下着からペニスを取り出す。
むわりと立ち込める男の匂い。
先端からは我慢の利かないだらしない汁がダラダラと溢れていた。
しっとりと汗ばんだ竿を右手で上下にしごきながら、姫子は濡れた舌で睾丸を舐め上げ、唇でやわやわとはむ。


「あ、あ、姫子ちゃん…っ」

「ん…ん…、すごいね…ずっしりしてる…。溜めてたの出して上げるね…」


根元を舌でねっとりと舐めて吸いつく。
カウパー液で濡らした指で輪っかを作り、カリ首を包んでグリグリと回しながら、左手で重たい睾丸を優しく揉み始めた。
男の太腿や腹が強張る。
裏筋を舌先でなぞり舐め上げていき、姫子は辿り着いた先端をそのままいじくり回した。
丸みのある亀頭を舌の腹でくすぐり、尖らせた舌先で涎を垂らす鈴口を執拗に責め立てる。


「はぁっ、う、姫子ちゃん…っ、しゃぶって、しゃぶってくれ…っ」


思わずといった風に男の両手が姫子の頭を鷲掴んできた。
懇願されるまま唇を大きく開き、ぬ、ぬ、とゆっくりとペニスを口内に収めていく。


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