short | ナノ






闇なべ☆パーティー



「鍋をやるのは一向に構わないが……なぜ僕の家なんだ?」
「水鏡は一人暮らしだから、サミシーだろうと思ってな」
「みーちゃんち結構広いし」
『まあ流石に五人じゃ狭いけどな』
「それより、柳はどうしたんだ?」
「姫…じゃなくて、柳は家の用事だってさ」
「残念だね〜」
「……もうひとつ聞いてもいいか」
『奇遇だな。私も聞きたいことがある』


「『この具材はなんだ』」


「あれ? 烈火、言ってなかったの?」
「言ってたら入れてくれねぇだろうなぁ〜」
「豆腐、白菜、もやしにしらたきはいいとして、」
『チョコレート、大福、あんみつ……鍋にはどれも不必要だが?』
「今日は、闇鍋をやるぜ!」
『……帰っていいか?』
「全員帰れ」
「まぁまぁ。みーちゃんどーせ今日の晩御飯用意してないでしょ?」
「してないが、別にすぐできる」
『というか、選択肢の中に普通に鍋をする、というのはないのか?』
「「「ない!」」」
「……僕が出て行こう」
「駄目だぜ水鏡、強制参加だ」
「……………」
『ていうと、私もか』
「そーゆーこと」
『諦めよう、水鏡』
「……桔梗、楽しんでないか?」
『いや? まさか。下手したら、私がトイレに行く羽目になるからな』
「じゃ、電気消すよー」

パチ

「………それぞれ、好きなタイミングで入れろよ」
「(手をつけなければいいか……)」
「あ、ちなみに自分でとって食べてない奴は、余った鍋全部食うことな!」
「ちっ」
『水鏡、食べないつもりだったのか…』
「もうあったまったか?」
「まだだろ」
「あ、でも豆腐は美味しい!」
『………白菜か』
「うわ、枝豆入ってるよ!」
「………あさり」
『テーブルにあった以外の食材もあったのか』
「っ!? なんだこの甘さは!」
『…出汁が甘いな。チョコレートを入れたんだろうな……わ、大福。餅が可哀想なことになっている…』
「……たらこ」
『水鏡、海鮮系あたりやすいな。気をつけろよ』
「ああ……? 米か」
『あ、それ中に』
「〜〜〜っ!?」
『鷹の爪が…って遅かったか』
「……………」
『ところで、烈火たちはどうした? さっきから一言も喋ってないが――げ。マンゴー』
「たしかに、五月蠅くないな」
『ちょっと、電気つけてもいいか?』
「ああ」

パチ

「『……………いねぇ』」
「どこにいった?」
『……帰った、かもな』
「は?」
『玄関見てくる』
「ああ、頼む」
『……………』
「……………」
『……水鏡、やっぱり靴がない』
「帰ったか……」
『しかし……明かりをつけてみると、なんだかグロテスクな鍋だな』
「間違いなく病院送りだな」
『私たちも紙一重だったな』
「ああ……ところで桔梗、」
『大賛成だ水鏡』
「……………」
『……………』





それから数日後、桔梗に差し入れをもらった次の日、烈火、風子、土門は謎の腹痛で学校を休んだとか……。