short | ナノ






彼女にインタビュー



――みなさんこんにちわ。生徒会です。今日は、有名人のあの人に突撃インタビューしたいと思います。



――こんにちわ
「こんにちわ」

――A組の桔梗さんですね?
「ええ、でもなんで下の名前なの?」

――そちらのほうが、親しみが湧くかと思いまして
「ああ…そういうこと」

――さっそくですが、インタビューです
「そうね、それが用件だもの」

――桔梗さんは、あの平和島君と仲がいいですよね?
「仲がいい、ってほどでもないわ。会ったらあいさつをする、たまに話す。それくらいよ」

――でも彼は、その…怒りやすく、机を投げたりしますよね
「ええ、静雄と付き合うつもりなら、彼のことをよくよく観察してからにしたほうがいいわ。いらない怪我はしないようにね」

――な、なるほど。それと、その平和島君と犬猿の仲の折原君とも仲がいいですよね?
「それは向こうが近づいてくるから。あんまりにもしつこいから話したら、もっとしつこくなったの」

――意外ですね…彼は平和島君より穏やかで、女子にも人気があるから
「騙されてるわね。臨也は、ただの頭がピーーー人だわ」

――もっと意外ですね。全然そうは思えません
「思わなくてもいいから、近づかないほうがいいわ」

――あ、そういえば変わり者の岸谷君とも知り合い、だとか
「新羅? ええ、そうね。変わり者だわ、とっても」

――前者より?
「そうね、でも新羅は自分から人のことに首つっこんだりしないから、基本的にはいい奴よ。でも、たまに厄介」

――例えば?
「静雄と臨也の喧嘩を止めようとするのよ」

――そうですね、僕も見たことあります
「怪我するから、いつもやめなさいって言っているんだけどね」

――桔梗さんは止めにはいられないんですか?
「怪我したくないもの。それに、面倒だわ」

――そうですか。でも、あの二人を見てると、随分桔梗さんに懐いてますよね。言い方、変ですけど
「そうかしら? 普通に付き合ってるだけよ」

――どちらも、桔梗さんが近くにいると喧嘩しても物投げないじゃないですか
「ああ、それはね、静雄は関係ない人は巻き込まないの」

――え、そうなんですか?
「そうよ、ただ通り過ぎるだけなら問題ないわ。臨也は、盾にされるから近づかないの」

――なるほど…
「それより、もういいかしら? そろそろ時間だわ」

――あ、そうですね、ありがとうございました
「いいえ、別に大したことではないわ。ああ、最後になるのだけど――」

――はい?
「わたしも、変人だからあまり近づかないほうがいいわよ? 臨也たちに絡まれたくなかったらね」



「桔梗、このインタビューひどいんじゃない? 俺、こんなことしないけど」
「僕もなんだかんだでひどい扱いだよね」
「ありのままを述べたわ」
「でもたしかに、最後のほうは…ゲッ」
「ん?」
「いーざーやー!」
「じゃあね、桔梗!」
「まてコラァ!」
「静雄、落ち着き…ゲフンッ」
「あー…静雄、ほどほどにねー」
「あの野郎をブッ殺したらな!」
「あっははは」
「…臨也の笑い方って、なんかムカつくわよね」
「それより…医務室つれてって…」