メルトダウン
あつい。あつい。
ただでさえ日本の夏は湿度が高くてジメジメしてるってのに。
汗ばむTシャツが肌にまとわりついて不快だというのに。
窓を全開にしていてもちっとも夜風は入り込まず、窓際の風鈴さえ鳴らないというのに。
ツ…と首筋に汗が流れて、その感覚に思わずビクリとする。
首筋だけじゃない。額も背中もついでに手も汗ばんでいる。
あつい。あつい。
ジリジリとしたあつさが全身に降り注ぐ。
タイヤ引きずってグラウンドを思いっきり走った時よりも、ずっと心臓がうるさい。
あつい。あつい。
球児だからあつさには慣れているハズなのに。
きっと野球をしている時以上にあつさで頬が異様に熱を帯びているだろう。
あつい。あつい。
変に乾いて張り付いた喉が、ゴクリと音を立てた。
いつもと違って妙に静かなこの部屋に、それが酷く響く。
あつい。あつい。
「…み、ゆき…?」
「もう一度言う。…好きだ、沢村」
あつい。あつい。
――何がって、彼の視線が。
(メルトダウン)
(ダメだ、このまま溶けちまう)
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拍手ありがとうございました。
ボウリングの続きはちょっと休憩。