▼月灯も褪せるネオン街 の卑猥な喧 騒唇

うわーい。今日も元気に食堂の配膳を笑顔一杯元気一杯でおこなっております名前ちゃんです!


「おらよ」

「いやもっと女子らしくわたせよ」


あれ?今日は不破くんと一緒じゃないの鉢屋三郎。だからそんな私にふわふわもとめてくるの?しょうがないな「はぁーい!一杯食べてね。はぁt」ぺっと唾を吐かれたよ顔に、顔にだよ死ねよ。せめて全部聞けよお前がねだったんだろーが。え?頼んでない?人の親切を無下にしておいて嘘かお前ほんとにクソ野郎。


「ほらよ」

「あのー、さっきので名前さんの唾が味噌汁に入ったのでかえてくださーい」

「だいじょうぶ。わたしの唾は洗浄液のようなものだから」

「有害物質のまちがいだろ。食堂のおばちゃんB定食おねがいします」

「なに?なんで最近君達セットで絡んでくるの?私の取り合いしてるの?ごめん、二人とも許容範囲に入らない」

「妄想に人を巻き込まないでくださーい」

「気色悪い事を言うな」


穴掘り小僧とこの野郎は最近もうべたべた突っかかってきやがるんだよ仕事の邪魔だよ。お母さんに甘えたいお年頃なんだなしゃーねーな。わたしほら包容力あるし?でも最終的に、人の顔を貶してくるのはよくないよ?立花クソ野郎のクソさが綾部にうつっちゃったんだねかわいそうにとか思ったが、待て、こいつのトラップえぐいはグロイはで生粋のクソ野郎だったわ。


「下級生以外クソ野郎しかいねぇ」

「それは私も含まれるんですか」


あらやだ土井先生まだご飯食べてらしたんですか。てっきりこってり皆食べ終わって、おばちゃんも明日の食料を調達に行かれたから誰もいないのかと思ったのに。1番聞かれたくないやつに聞かれたよ無視して皿洗い続けようかな。土井先生こっちみてないし竹輪と睨み合ってる25歳ぶほぉっ。私は無かったことにして沈黙をつらぬいたが全て洗い終わり顔を上げるとまだ初恋ハンターはそこにいた。早く食べ終わって皿くれよ。一人分だけ流しに置いてあるモヤモヤ感お前にわかるか!?土井先生は私を嫌っている。特に下級生が私に優しいことも嫌で嫌で仕方ないようだ。彼らが私と話すところに出くわすと何もないのに理由をつけて引き剥がすのだ。極めつけは尾浜勘右衛門と言う、うどんに変な縄でびしばし?やられている際に彼は今まで嫌悪を含んだ顔で見てきたのが何事もなかったかのように通りすぎたのだ。今日も一日いい天気だなて、台詞が似合う顔だったなあ。まず、うどんまじ鬼畜だくそ。野外SMプレイとかとんだド変態だよ奴はまったくちっとも私Mじゃないから気持ちよくないし覚えてろよいつか仕返ししてやる。土井先生に至っては関わりたくない。教師の癖に笑顔もまともにつくれたいとか終わってるよ!話したくない、だがしかしこのまま残られて私の休み時間が減るのもやだ.... な。


「あの、食堂のおばちゃんもいないんでわたしが食べましょうかそれ」


カウンターごしに話しかければ一瞬嬉しそうな顔した癖に睨んできやがった。なんだよ人の優しさを流石モテる男はちがうね。


「前の天女様にもね、練り物が食べれないでいたらそう言われました」

「そうですか。きっとその子も洗い物が終わらなくて困ったことでしょうね」


昔の女の話をするのよくないよ土井先生。まず私、興味無いからあなたに。


「いや、貴女と違ってまったく働かない子でした」

「働かないのに食事を要求するとはけしからん奴だ」

「......あなたは何故....」

「あんまりその顔で見つめないでください余った竹輪投げますよ」

「その顔?あ、すまない。.....私が天女様のことを嫌いなのも気づいているのでしょう。それ以上にあなたは自分がこの学園でどう思われているか察した筈だ、それでいて何故あなたは嫌味を言われながらも仕事をこなすんですか?」

「生きるためです」


またもや驚いた顔をしている土井先生である。何を当たり前のことを聞いてくるんだこの人。箸を力強く机に置いて私に向かって立ち上がった土井先生は「散々わたし達に苦痛を味合わされ、今でも身に覚えのない恨みを向けられているんですよ?何もせず此処にいても学園長先生はお許しになると言っていたのに何故?あなたはもう何もしなくても此処にいれば生きていられるんですよ?」力説してきた。え?働くなっていいたいのかなって解釈しようとしたけど多分違うな。可哀想な人を演じて同情を買おうとしてるんだろお前って言いたいんだろうこの教師は。


「土井先生は知っていたのに私にその怪我はどうしたんですか?と毎回訪ねてくるのは何故ですか」

「!」

「それは貴方が私をずっと試していた事じゃないですか。いつ弱音をあげるのかいつ自分たちに縋ってくるのか天女は天女なんだと陥れたかった貴方が言うことですか?」

「そう言うつもりでは」

「私がなにもやらなくなった日には忍たま総出でわたしを消しにくるでしょうね。使えない女だとかしょせん前の天女と同じだとか、勝手ばかりですね。忍びなんでしょう?そんなに私が憎くて憎くて仕方ないならバレないように殺してしまえばいいのに」


こんな暗い話をするつもりはなかったんですが土井先生。これ放送されたりしないですよね?子供向け番組にこんな暗い台詞よくないじゃーん。それでも私がんばるー!くらいの明るさ出した方がよかったかな。下級生にどんなことがあっても笑顔を向けるのは私なりにこのシビアな現実を知ってもらいたくないからだ。彼等は知らなくていい、尊敬する先輩達が人を殺めることを憎しみだけで人を判断してしまうような脆い魂なんだと知るにはまだ早すぎる。だから私は天から落ちてきた帰ることのできない何もできない天女でなければならないのだ。目を離したら負けだと思い見続けていたら土井先生の方がそらしてきた。ちいさな優越感だなこれ。心の中でガッツポーズしていたら土井先生は「貴方を殺せる分けないでしょう」と 自嘲気味に笑っていた。あれ?なにこの罪悪感。


「きり丸が貴方を名前で呼んだんだ」

「バイトの子か」

「ええ。あの子は戦争孤児で幼い頃から一人でああやって死に物狂いで生きてきた。今は私が引きとっていますがね」

「....そんな人生の先輩のようなきり丸くんと私になんの関係が?」

「最初に現れた天女以外きり丸は名前を呼んだことがないんだよ」

「名前?それはたまたまでは?」

「そんな訳ないだろ。天女達にきり丸は何度も同情され傷つけられ裏切られてきた。かわいそうに、大変だったね、私を頼って、と平和な世界でのほほんと生きてきた何も知らない奴にいい続けられたあの子の気持ちがわかるか?」

「私はきり丸ではないから確かな答えはわからないな」

「....きり丸があなたに懐いた訳がわかった気がする」


大きな溜息をついて大人しく席に座った土井先生は竹輪を箸でつまむと私の口に投げてきた。察しのいいわたしはちゃんと食べましたよ。行儀悪いなとか言わないで落とすよりましでしょ。おまけに自分の前に座るように指示してくるし何気俺様なの?


「私が天女の妖術にかかってしまた時もきり丸は自分は邪魔になってしまうと山田先生に言ったんですよ、私にではなく。つらいも、嫌だも、苦しいも、きり丸は私達になにひとつ言わないそんな子だ。それを天女達は無理やり言わせようとした。それがまた許せなくてね。あの子を傷つける天女が憎い、それにまた妖術にかかってしまいきり丸を傷つけてしまったらと思うと怖くてしかたなかった。だからあなたへの接し方も酷くなってしまい、すまない。もっと早くあなたを知り話し合うべきだった」


私は知ってもらうつもりなんてないけどね。勝手な先入観で私を毛嫌いしているのは君達だからね!土井先生は先生として悩んでいるのではなくきり丸の家族として心を痛めているのか。きり丸はきり丸で迷惑をかけたくないから何も言わないでいるしお前らカップルか!なんなの!これで天女はいるとかリアルな三角関係じゃないか!いや!天女邪魔者だけどさすごい!ほんとう私は早々にここを立ち去るべきなのかもしれない。私が生きるために此処にいたら私の存在だけでこの世界の住人を傷つけているのだろうか。



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